石丸伸二氏への「未婚・子なし」批判は見当違い 目を向けるべきは「一夫多妻制」発言ではなく…

東京都知事選で約165万票を獲得しながら2位で落選した前広島県安芸高田市長・石丸伸二氏(41)の話題が続いている。21日も石丸氏は「ビートたけしのTVタックル」(テレビ朝日系)にゲスト出演した。
そんな石丸氏が大きな注目を集めたのが、14日放送の「そこまで言って委員会NP」(読売テレビ)に出演した際の「一夫多妻制」発言だろう。人口減少に危機感を抱いているという石丸氏は、「例えば、一夫多妻制を導入するとか。遺伝子的に子どもを生み出すとかです」「SFの話に聞こえるかもしれないですが、そこまでやらないと、人口減少は止まらないんですよ」と提言。
この発言に対し、《この独身男は、まずは結婚して子育てする事をお勧めする》《そもそも結婚もしておらず子供もいない人が少子化を語るのに無理がある》と石丸氏が”未婚で子なし”という現況について多くのツッコミが入ったが、これはますます少子化対策から遠ざかると見当違いな批判だと見る向きもある。
■極論を用いて悪目立ちしている石丸氏
「『どのような選択肢が増えれば、結婚や子どもを持つという人生の過程を踏めるのか?』という視点は、未婚・子なしの人たちにこそあるものとも言えます。石丸氏が未婚で子なしだからという批判は、結婚して子どもを持つのは当たり前で、それを行なってやっと一人前だという、前時代的な考えが前提となっている気がして他なりません」(報道番組制作関係者)
そもそも石丸氏の「一夫多妻制」発言は、それぐらい極端なことを行わなければ、人口減少の直接的な解決はしないと考えるが、それを自分はやるつもりはないというニュアンスの発言だった。
石丸氏は安芸高田市長時代に応じた毎日新聞のインタビューで「『まず結婚』をスタートラインにしていては、少子化対策は前に進まない」という考えを示している。さらに日本より出生率が高い欧州の国々は婚外子の割合も高いという例を挙げながら、結婚することこそが少子化解決に繋がるという前時代的な価値観の脆弱さを指摘し、学費、医療費、生活費の支援が充実し、どんな状況の子どもの権利も保障し、経済的にしっかりと支援していく仕組みの必要性に言及したものだった。
■「一夫多妻制」発言に矛先を向けるより、態度を問題視すべき
一方、最近の石丸氏はメディア出演が増えているものの、安芸高田市長時代のような具体的な人口減少対策の方向性が示さないまま、極論の説明に終始し、悪目立ちしてしまっている印象だ。「一夫多妻制」発言に矛先を向けるより、そんな石丸氏の姿勢の方を問題視すべきだろう。

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