都知事選で石丸伸二氏の選挙プランナーを務めた藤川晋之助氏が、7月23日に配信された「 文藝春秋 電子版 」の オンライン番組 に出演。「石丸現象」の舞台裏や今後の展開について語った。
YouTubeで人気でも既存メディアが注目をしないとダメ
まず、藤川氏がオンライン番組で明かしたのは、都知事選で実行した戦略だ。具体的には、「マスコミの注目を集める」「人海戦術を担う人材の確保」「短時間で細かく宣伝カーを回し、演説会を繰り返す」の3つだが、なかでも藤川氏が一番の要と捉えていたのが「マスコミの注目を集める」ことだった。
「YouTubeでいくら広がっても、やっぱり既存のメディアが注目をしないとダメ。マスコミの友だちに声をかけて『石丸は絶対に蓮舫を抜けるよ。俺、自信あるから』と根拠がなくても言うと、『えっ、藤川さんが言うんだったら、ちょっと根拠があるのかな』と勝手に思ってくれる。それで、四大紙のひとつが石丸番(記者)を作ってくれた。テレビ局も密着取材をしてくれるようになった。雑誌も“台風の目”であるような書き方をし始めてくれた」
転機になったのが、小池百合子氏、蓮舫氏、田母神俊雄氏と共に、石丸氏が参加した都知事選候補者の共同記者会見だ。この場に石丸氏が加わったことで、4人決戦の構図ができあがった。共同記者会見後の展開を、藤川氏は次のように考えていたという。
「折り返し地点までに、蓮舫さんを追い抜けるかどうかまで持っていけば、(小池)都知事との一対一の戦いに持って行ける。そうすれば、ブームが起きてぐんっと得票数が伸びるから奇跡が起きるかもしれなかった」
今後は都議選? 国政?
結果として、次点となる165万票を獲得するに至った石丸氏。今後の活動について、どう考えているのか。
藤川氏は「次の都知事を目指すのが王道」とした上で、次のように語った。
「1年後にある都議会選挙に向けて、もし仮に石丸新党を作って声をかければ、何十人、何百人と集まります。一気にブームができるかもしれない。そうすると、小池さんにとって(石丸氏は)恐ろしい存在。今は犬の遠吠えみたいに外で喋ってるだけですけども、(都議会の)中に影響力を持ち始める可能性があるわけです」
さらに、今後について石丸氏から相談を受けた場合には、国政進出も提案してみたいと明かした。
「衆議院選挙で石丸新党の候補者を東京に立てれば、2、3人の国会議員を作れる。そうしたら国会と都議会に足がかりができる。すごい求心力を持ち始める。これはもう事件。『そのくらいのことをしたらどうだ』と言うだろうけど、まだ一回も(石丸氏と)話し合ったことはないです」
藤川氏はほかにも、石丸氏の演説の凄味、志のあるボランティアが5000人以上集まったことへの感動、さらに支持を広げるための課題など、多岐にわたる話題について語った。
「文藝春秋 電子版」では、60分におよぶオンライン番組「 石丸伸二165万票の立役者・藤川晋之助が明かす『“選挙の神様”の兵法』 」のフル動画を配信している。
(「文藝春秋」編集部/文藝春秋 電子版オリジナル)