梅雨前線や暖かく湿った空気の影響で、秋田県内は24日夕から25日朝にかけて大雨に見舞われ、河川の氾濫や住宅の浸水、土砂崩れが発生した。県警や消防によると、湯沢市の工事現場で1人が土砂崩れに巻き込まれて行方不明となっているほか、にかほ市で1人が軽傷を負った。
秋田地方気象台によると、由利本荘市東由利で25日午前10時50分までの24時間降水量が219ミリに達するなど、県内3地点で観測史上最大の降水量を記録。25日未明、同市を流れる石沢川の堤防が決壊し、市は午前2時25分、周辺の計86世帯231人を対象に、避難情報のうち最も危険度の高い「緊急安全確保」(警戒レベル5)を発令した。
午前8時45分頃には、湯沢市上院内の国道13号付近で、「土砂崩れが起きて人が巻き込まれた」と道路工事関係者から119番があった。県警湯沢署などによると、作業員の男性1人が行方不明となっている。にかほ市では、見回りをしていた消防団員の男性が、倒れてきた電柱のワイヤ状のものにあたって軽傷を負った。
読売新聞の各市町村への取材では、午前9時半現在、少なくとも由利本荘、にかほ、横手、大仙の4市で計21棟が床上浸水し、8市町村で計51棟が床下浸水した。
由利本荘市によると、国道107号が土砂崩れと冠水で通行ができなくなり、東由利地域の52世帯126人が24日夜から孤立している。堤防が決壊した石沢川近くにある水田が水没した農家女性(64)は「イネが心配で、早く水がひいてほしい」と話していた。