岸田文雄首相が再選出馬なら――。元衆院議員の秋元司氏が25日、都内でイブニングセミナーを開き、古巣の自民党で9月に行われる予定の総裁選と解散総選挙の行方をズバリ占った。
統合型リゾート施設(IR)を巡る汚職事件で、収賄や組織犯罪処罰等違反の罪に問われた秋元氏は一審で懲役4年の実刑判決が下され、上告中だ。4月の衆院東京15区補選に立候補し、表舞台への復帰を果たしている中、政局や政治の裏側を解説するユーチューブチャンネル「あきもと司のアキペディア」が好評を博している。
自民党や歴代政権の中枢で仕事をしてきただけに、目下の関心事は総裁選の行方だ。「(岸田首相側近の)木原誠二君が講演で、『総理は次は必ず出る』といった思いを告げている。岸田総理が総裁選に出馬したらどうなるか。今出ようと勢いのある方は閣僚や党役員に入っていますから出馬できるのかという大きな問題がある」と指摘する。
秋元氏には苦い思いがあった。「石原伸晃さんが谷垣総裁を支える立場で総裁選に出馬表明した時に『平成の明智光秀』とまで言われてしまった。私は石原陣営にいたので、このレッテルは重いなと。日本はマインドが大事なので、親分を裏切ってまで出るとなると国民感情の問題がある」。
総裁選出馬が取りざたされる茂木敏充幹事長、河野太郎デジタル相、高市早苗経済安全保障相らの出馬は難しく、消去法的に石破茂元幹事長と若手が対抗馬になるとの見方を示した。
一方で、岸田首相が撤退した場合は混とんとなる。「これは本当にレースです。われこそはと手を挙げて、場合によっては7~8人出るんじゃないか。一番の有力候補は官房長官の林(芳正)さん。旧岸田派の統一候補になってくる。あとは麻生派から河野太郎さんが出たいと言っているわけで意志が強い。石破さん、茂木さん、若い人で総裁選が繰り広げられる」と大乱戦は避けられないとした。
来年秋に任期満了を迎える衆院選の時期も予想した。「総裁選の流れによって、この秋に解散総選挙が行われるかもしれない。また、来年秋までには行われるが、来年は6月に都議選、7月に参院選があって、それが終わって、空白の9月で解散総選挙っていうのがあるのかなと。都議選と参院選、衆院選のトリプル選挙はやりづらい」と総裁選後の解散総選挙が見送られた場合、来年は6月から3連続の選挙ウイークに突入するとの見通しを披露した。