隣の住宅に生卵を投げつけたとして、岐阜県に住む53歳の女が逮捕されました。防犯カメラには、自宅の窓から卵を投げる様子が映っていました。
窓や壁に大きく広がる黒い汚れ。一面に液体が垂れたような跡や粉々になった白い破片がこびりついています。
その正体は数十個もの卵の殻です。
被害を受けた女性
「白い壁が真っ黒になっていたので、何でこんな目にあうのかなって理不尽な気持ちでいっぱいです」
こう語るのは、岐阜県川辺町に住む女性。
被害を受けた女性
「隣の方が卵を投げてくる。庭とか畑にいても気持ち悪くて、家に入ってしまうぐらい強烈な臭いでした」
“近隣トラブル”による嫌がらせを受けたと話します。
記者
「ここに近づいただけで生臭い臭いがします」
この卵を投げたとみられているのが、隣の家をにらみ、暴言を吐きながら警察車両に乗せられる女。岐阜県迷惑行為防止条例違反の疑いで逮捕された、各務良子容疑者(53)です。
警察によると、各務容疑者は先月19日と25日の2日間にわたり、川辺町にある住宅に生卵を複数個投げ入れる嫌がらせ行為をした疑いがもたれています。
被害にあったのは、各務容疑者の自宅と隣接している民家。“近隣トラブルによる嫌がらせの瞬間”をカメラが捉えていました。
先月25日に各務容疑者の自宅を捉えた防犯カメラの映像には、窓が少し開いた次の瞬間、白い卵が2つ投げられる様子が映っていました。その約40分後、同じ窓が再び開き、さらに2つ投げられました。被害はこの日だけではなく…
被害を受けた女性
「毎日です。投げてない日がないですね。少ないときで5~6個、多いときには20個くらい」
多いときには20個。2パック分もの生卵が投げられたというのです。
別の日には、白い卵が2つ投げられたかと思えば、わずか10分後には3つ飛んでくる様子が防犯カメラに映っていました。
さらに、こんな場面もありました。卵を投げますが、隣にまで届きません。すると、やってきたのは各務容疑者。落ちた殻を拾って再び隣に投げ入れたのです。
被害を受けた女性
「(容疑者が)1回だけゆで卵を投げたんですけど、外にあった農機具をいれるボックスが壊れてしまって」
こういった嫌がらせは、最近始まったことではありませんでした。
被害を受けた女性
「2019年12月初めくらいにベランダと庭の方に投げ込まれて」
5年ほど前からほぼ毎日被害を受けているというのです。
身の危険を感じた女性は防犯カメラを設置。各務容疑者は3年前に一度同じ容疑で逮捕されたものの、その後も同様の行為を繰り返しているといいます。
さらに…
被害を受けた女性
「帰ってきて車のドア開けた瞬間に『クソババァ』とか言われて」
一体なぜ、女性はこのような被害を受けることになったのでしょうか。
──何かで一度トラブルに?
被害を受けた女性
「ないです。話も多分10年くらいしてないんじゃないか。刺激しないのが私のとれる唯一の策でしたので」
始まりは約20年前、各務容疑者が隣に引っ越してきたときからだといいます。ゴミの投棄などの嫌がらせが始まり徐々にエスカレート。しかし、女性には被害を受ける心当たりはないといいます。
──(各務容疑者が)逮捕されましたが
被害を受けた女性
「ほっとしました。これからやっと普通のというか、家に帰ってきても安心して暮らせる。夜も眠れるかなという感じです」
身の危険を感じる事態に発展するかもしれない近隣トラブル。では、もし近隣トラブルにあった場合どう対応すればいいのでしょうか。
専門家は…
近隣トラブル解決を支援 ヴァンガードスミス 田中慶太代表取締役
「早く相談することがすごく大事。誤解は非常に多い。相手を誤解した状態で過ごすと、だんだん気持ちがよくない方に進んでトラブルになる」
また、当人同士で解決しようとするのは危険だといいます。
近隣トラブル解決を支援 ヴァンガードスミス 田中慶太代表取締役
「ただし直接、自分で言ってしまうと衝突が起きる。人を介することをおすすめしています。集合住宅であれば『管理人』『管理会社』がいる。『両方を知っている近隣の住民』など。できるだけ直接何か申し入れることはさけた方がいい」
警察の調べに対し、各務容疑者は「やっていません」などと容疑を否認しているということです。
(8月7日放送『news zero』より)