東京電力は19日の定例記者会見で、福島第一原子力発電所2号機で溶け落ちた核燃料(デブリ)の試験的な取り出しを22日に始めると発表した。デブリの取り出しは2011年の原発事故後、初めてとなる。
東電は、伸縮する釣りざおのような装置を原子炉の横から差し込み、先端に取り付けた爪状の器具で、最大3グラムのデブリの採取を目指す。作業に着手してから、デブリをつかんで原子炉外に取り出すまでに2週間程度かかる見込みだ。デブリは放射線量が極めて高く、作業は主に遠隔操作となる。
東電は、原子力規制委員会に装置の使用開始を21日と申請。2号機内に設置した装置の点検や作業手順の確認を同日まで行い、22日に着手することになった。
デブリは11年の事故で炉心溶融(メルトダウン)が発生した際に、炉内の金属などと混ざり合ってできた。1~3号機で計約880トンあると推計されている。取り出しは21年までに始めるとした当初の計画から3年近く遅れている。