鹿児島市の障害者支援施設と事業所で働く職員18人が利用者20人に対し、合わせて38件の虐待を行っていたことが明らかになりました。不正な受給も確認され、鹿児島市は施設などに対し、約4500万円の返還を求めたほか、新たな利用者の受け入れを1年間停止するなどの行政処分を行いました。
行政処分を受けたのは、鹿児島市の社会福祉法人「八重山会」が運営する障害者支援施設「ときわの家」と事業所「第二ときわの家」です。
鹿児島市によりますと、2024年6月の監査で、職員が知的障害のある利用者を意図的にあおるなどして不安にさせたり、力ずくで引っ張ったりするなどの 心理的、身体的な虐待が確認されたということです。また、わいせつな言葉をかけるといった性的な虐待などもあり、確認された虐待は38件に上ったということです。施設の職員64人のうち18人が、20人の利用者に虐待を行っていて、利用者の1人は擦り傷を負いました。
また、職員の勤務実態を偽るなどして、「障害福祉サービス費」を不正に受給していたことも判明しました。
鹿児島市は19日この施設と事業所に対し、約4500万円の返還を求めたほか、9月から1年間、新たな利用者の受け入れを停止するなどの行政処分を行いました。
(社会福祉法人八重山会 北郷利美理事長)
「利用者とご家族に対して、心からお詫びを申し上げます。職員などの研修を重ねて、再発防止に取り組みたい」
施設と事業所を運営する「八重山会」は、虐待の被害を受けた利用者に対し、個別に訪問し謝罪したということです。