防衛省、大浦湾側で本格着工=普天間移設、県は中止要求

米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)の名護市辺野古移設を巡り、防衛省沖縄防衛局は20日、軟弱地盤のある大浦湾側の区域で護岸造成に着手した。大浦湾側では初の本格工事となる。県は事前協議が調っていないとして中止を求めており、現場周辺では反対派の市民が抗議活動を展開した。
辺野古移設を巡っては、玉城デニー知事が軟弱地盤発見に伴う設計変更の承認を拒んだため、斉藤鉄夫国土交通相が昨年12月、地方自治法に基づく「代執行」の形で変更を承認。沖縄防衛局は6月、県との事前協議を打ち切り、8月1日以降に本格工事に着手すると県に通知していた。
政府は大浦湾側の区域の外周に護岸を造成し、内側に土砂を投入することを計画している。20日は護岸造成の一環として金属製のくいを海底に打ち込んだ。現場海域が見渡せる海岸では反対派の市民らが「工事反対」などと声を張り上げた。
玉城知事は20日、宜野湾市内で記者団に対し「協議が調っていないにもかかわらず、一方的に工事に着手したことは誠に遺憾だ」と政府の対応を批判。事前協議の継続を文書で求める考えを示した。名護市の渡具知武豊市長は「地域住民に影響を与えてはいけない。生活環境をしっかり守ることを国と協議していきたい」と語った。
[時事通信社]

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