女性は「人違いだった」 別の実行役が証言 東京・狛江の強盗致死

「ルフィ」などと名乗る指示役による広域強盗事件のうち、東京都狛江市の女性(当時90歳)が暴行を受けて死亡した事件の実行役として、強盗致死罪などに問われた当時19歳の無職男性(21)に対する裁判員裁判の公判が22日、東京地裁立川支部(杉山正明裁判長)であった。別の実行役が検察側証人として出廷し、被害者の女性は襲撃対象ではなく「人違いだった」という趣旨の証言をした。
出廷したのは、永田陸人被告(22)=強盗致死罪などで起訴。この事件で実行役として起訴された4人のリーダー格とされる。
永田被告は事件当時について「キム」や「ミツハシ」と名乗る指示役と通信アプリ「テレグラム」で通話しながら、狛江市の女性宅に押し入ったと説明。金品の保管場所を聞き出すため、ミツハシから「殺さない限り全力でやれ」などと指示を受けたと証言した。
そして、実行役の一人だった野村広之被告(53)=強盗致死罪などで起訴=が、女性をバールで10~15回殴ったと明かした。永田被告も女性に蹴るなどの暴行を加え「家を燃やす」「家族を殺す」と脅したが、保管場所を聞き出せなかったという。
永田被告がキムに「本当にこの人が(襲撃の)対象か」と尋ねたところ、女性の写真を要求されたため、その場でスマートフォンで撮影して送信。キムが確かめた結果、「違う方だと分かった」と証言した。
この事件では、指示役とされる3人も強盗致死罪などで起訴されている。
起訴状によると、実行役らは共謀して、2023年1月19日午前11時半ごろ、宅配業者を装って狛江市の女性の自宅に侵入。女性を結束バンドで拘束し、バールで複数回殴って死亡させ、腕時計を奪ったなどとされる。【菅健吾】

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