6年前に関西を直撃し、あらゆるものを“凶器”に変えた台風21号。今回の台風10号も同じような強い風に警戒が必要です。
最大瞬間風速60m予想日本列島を縦断するおそれ
南波雅俊キャスター:日本列島を縦断するおそれも出てきた台風10号ですが、最新の進路図から見ていきます。
気象予報士広瀬駿さん:現在、強い勢力の台風10号ですが、海水温の高いところを通っていきますので、さらに発達します。
28日(水)は非常に強い勢力で、このときの中心付近の風の強さは最大瞬間風速60mの予想となっています。
奄美地方や九州南部で猛烈な風が吹くおそれがあり、進路をその後東寄りに変えて、そんなに勢力を落とすことなく、列島を縦断するおそれがあります。
関東も、台風の動き次第では週末あたりに大荒れとなるおそれがあるので、注意・警戒が必要です。
南波キャスター:最大瞬間風速60mと言っていましたが、風についても見ていきます。
【最大瞬間風速】・30m/s自立が困難・40m/sトラック横転・50m/s住宅の外壁や瓦などが飛ぶ・60m/s倒壊する住宅も※気象庁より
60m/sでは倒壊する住宅も出てきて、50m/sでも住宅の外壁や瓦などが飛んでいき、40m/sだとトラック横転、30m/sは立っているのも困難という風になります。
「新幹線並みの速さでいろんな物が飛ぶ」特にガラスは注意
南波キャスター:2018年の台風21号では、かなり被害も多く出ました。
【2018年台風21号集合住宅で多かった被害箇所】・ガラス81.3%・アンテナ13.2%・雨漏り4.8%・シャッター0.7%※調査:シェアリングテクノロジー2018年9月初旬4290件対象
集合住宅の被害箇所の8割がガラスでした。
気象予報士広瀬駿さん:そもそも20m/sを超えると、外出が危険な状況になります。
60m/sを時速で換算すると200キロ以上なんです。新幹線並みの速さでいろんな物が飛んで、凶器になり得ます。特にガラスは注意になるかと思います。
井上貴博キャスター:関西を襲った2018年の台風のときと今回の台風は、数値でいうと風速・大きさ・強さなど、どのあたりが似通っているのでしょうか。
気象予報士広瀬駿さん:28日の最大瞬間風速60m(予想)というのは、2018年の台風21号の接近直前のときと似ています。
エリアは違いますが、そういった風が九州南部、奄美地方で吹くおそれがあります。停電被害が長期化するおそれがあり、かなり心配な状況です。
「対策しなかった場合、損害賠償など請求される可能性」どうすれば?
南波キャスター:2018年のときの最大瞬間風速は58.1mで、似たような状況です。
また、自分自身が加害者になってしまう危険性もあるそうです。
防災システム研究所 所長で、防災・危機管理アドバイザーの山村武彦氏によると、屋根瓦が他人の家の窓ガラスを破損したり、あるいは植木鉢が他人の家の外壁を破損したりした時は、「暴風が予想されていたのに対策しなかった場合、損害賠償など請求される可能性もある」ということです。
【暴風対策】・屋根・外壁の状態をチェック・窓をフィルムなどで補強・植木鉢・傘などを室内へ・「物干し竿」「洗濯ばさみ」室内へ※防災システム研究所所長防災・危機管理アドバイザー山村武彦氏より
風がすごく吹くと「洗濯ばさみ」は相当凶器になり得るようなものなんですよね。
気象予報士広瀬駿さん:洗濯ばさみもそうですが、雑巾なども水を吸った場合は古い窓ガラスを突き破るような力を持ってしまいます。
南波キャスター:そして、こんな対策もできます。
【自宅にあるものでガラス飛散防止】(1)窓ガラスに水を吹きかける(2)窓全体にラップを貼る(3)ガムテープなどをラップの切れ目に貼る(4)カーテンを閉める※警視庁警備部災害対策課「X」より
窓ガラスに水を吹きかけることで、ラップがつきやすくなります。カーテンを閉めれば、仮に窓ガラスが割れても家の中に飛び散るリスクは軽減できるそうです。
気象予報士広瀬駿さん:カーテンを挟むときに、洗濯ばさみを使うのもいいかもしれません。
南波キャスター:防災システム研究所 所長で、防災・危機管理アドバイザーの山村武彦氏は「あくまでも窓ガラスの飛散を防ぐ応急処置。段ボールで補強するなどの対策もした方がいい」と話し、万が一に備えて寝るときには窓から離れた場所で寝るのはいいのではないかということです。
気象予報士広瀬駿さん:今回の台風10号は動きがゆっくりしているので、31日(土)ごろにかけて影響が続くおそれがあります。
最接近のタイミングが先週の予想より2日遅くなりました。その2日分、大雨の影響もちょっと加わってしまう点、山沿いでは土砂災害などに警戒が必要になると思います。
関東の方に近づいてくる場合は、暴風雨も吹き荒れてもおかしくないので、今のうちに風・雨の備えを進めるようにお願いします。