小泉進次郎氏は「裏金議員の公認」が総裁選の“踏み絵”に…「推薦人40人以上」の背後に森元首相&萩生田光一氏

候補者乱立でお祭り騒ぎとなっている自民党総裁選(9月12日告示、27日投開票)で、にわかに「裏金事件」への対応が争点としてクローズアップされてきた。
24日に出馬表明した石破茂元幹事長(67)が、裏金議員について「自民候補として公認するにふさわしいかどうか、選対委員会で徹底的に議論すべきだ」と踏み込んだからだ。すでに出馬会見を開いた小林鷹之前経済安保相(49)が「検察当局が調べる中で不起訴処分となった。自民党の調査には限界がある」と逃げるなど、裏金事件に後ろ向きな姿勢が党全体に漂っていたところに、石破氏が斬り込んだ形となったのだ。
これには、すぐさま安倍派議員が反発。石破陣営にブーイングが殺到したらしい。で、石破氏は25日になって発言を修正。「新体制になってどうするのか決める。(党総裁に)なってもいない者が予断を持って言うべきではない」と言い直したが、石破氏が総裁になれば「公認するか議論する」と言っているようにも聞こえる。
「これで石破さんには安倍派議員の票はほとんど来ないだろう」(石破陣営関係者)
議員票「安倍派で40人集まった」
政治資金の不記載があった現職議員らは85人。うち79人が安倍派だ。36人は処分された。総裁選が終われば、すぐに解散総選挙になだれ込むことが想定されるだけに、公認されなければ安倍派は大騒ぎだろう。
もっとも、国民の一番の関心事は裏金事件だ。自民党が信頼を失った根本原因なのだから、総裁選でこれに厳しく臨まないでどうする、という話。だから、出馬を模索する野田聖子元総務相(63)も「自分の力で(選挙に)勝ってきませんか」と非公認を示唆した。斎藤健経産相(65)も「内輪の論理ではいけない」との認識を示した。
そんな中、党内で注目されているのは、30日に出馬会見を予定している小泉進次郎元環境相(43)がどう発言するのかだ。「改革」「刷新」を打ち出すなら、裏金議員に厳しくあたらなければおかしいが、進次郎のバックには安倍派を裏で牛耳ってきた森喜朗元首相(87)がいる。
「進次郎さんを全力応援している森さんは、国会議員に片っ端から『進次郎をやってくれ』と頼みまくっています。自身の影響力を行使できる安倍派については『40人集まった』と豪語している。萩生田光一さん(60=前政調会長)も森さんの命を受けて動いています」(自民党関係者)
進次郎氏は党員票で石破としのぎを削ることになるため、石破氏が弱い国会議員票で差をつけるには安倍派の“数”は歓迎だろうが、一方で裏金事件に厳しく斬り込めなくなる。
「裏金事件への対応が進次郎さんにとって『踏み絵』になってきた。『公認しない』と言えば拍手喝采だが、森さんの逆鱗に触れ、安倍派票が来なくなる」(前出の自民党関係者)
さて、進次郎は森元首相、萩生田氏、安倍派を斬れるのか。
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進次郎の「後見人」として暗躍する森喜朗元首相。岸田首相の後見人のようにふるまってきたのに進次郎にシフトした思惑などを●関連記事『【もっと読む】小泉進次郎の「後見人」に森喜朗が暗躍…自民党総裁選このままでは安倍派は“草刈り場”』では詳報している。

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