「オレを敵に回したら恐ろしいことになる」「今から議会や県の課長に報告して市役所や課にいられなくしてやる」
奈良県生駒市役所の男性職員(36)を脅したとして、同市で農業を営む栄枝差寿容疑者(56)が26日、公務執行妨害の疑いで奈良県警生駒署に逮捕された。
栄枝容疑者は今月2日、市役所の国保医療課を訪れた。手続きを終えた後も窓口で職員と話を続けていたため、後ろに並んでいた男性来庁者から「要件が終わったのなら、代わってください」と促された。これにブチ切れた栄枝容疑者は「なんや」と言い返し、口論になった。職員が2人の間に割って入ると、栄枝容疑者は「何で相手を引き離すんや」と激高。怒りの矛先は職員に向けられ、冒頭のように午前11時20分からおよそ40分間にわたって職員を怒鳴り続けた。
「終始、高圧的な態度でカウンター越しに『オレに喧嘩を売るな』『名前と役職を教えろ』などと大声で怒鳴り散らして職員の公務を妨害した。職員は上司と相談し、8月上旬、被害届を提出した」(捜査事情通)
調べに対し、「言ったことは間違いないが、悪いことを言った覚えや認識はない」と供述している。
栄枝容疑者は4月29日にも野焼きをしていた自宅近くの畑を訪れ、消火活動中だった消防士にイチャモンをつけ、頭を殴り、逮捕されている。この時も消防士に対し、「分かっているやろうな、おまえの人生を終わらせたるから」「メチャクチャにしたるからな」と脅し、暴行を加えていた。
栄枝容疑者は学生時代、空手部に所属し、大学卒業後は生駒市消防本部に勤務する元消防士だった。相手が逆らえない立場なのをいいことに、ヤクザまがいの脅し文句で威圧するとは、いい年して大人げない。