小4プール死亡事故で初の保護者説明会 「なぜ強行したのか」

高知市立長浜小学校4年生の男子児童が7月、近くの同市立南海中学校のプールを使った水泳の授業中に溺れて死亡した事故を受けて、市教委と長浜小は1日、保護者向けの説明会を南海中で初めて開催した。
説明会は非公開で実施。終了後の市教委の説明によると、長浜小(全校児童276人)の保護者46人が出席した。会では同小の中村仁也校長が「(小学校のプールの故障が判明しても)何とか水泳の授業をしたいと思っていた。中学校のプールを使用するに当たり、もっと時間をかけて慎重に議論し、子どもたちの安全を第一に考えなければならなかった」と発言。さらに「子どもが『あっぷあっぷ』していたことや、『怖い』と言っている子どもがいたことなど、(危険を示す)サインが出ていたにもかかわらず、立ち止まることができなかった」と説明し、危険性を見過ごしたことへの謝罪と反省の弁を述べたという。
保護者からは「中学校のプールの水深は小学校と同じという情報があったので、学校には問い合わせなかった。しっかり受け止めてほしい」との声や、「授業を止めず、なぜ強行したのか」など、学校と市教委の姿勢をただす意見が複数出された。大声を出したり声を荒らげたりする保護者はいなかったが、涙ながらに話す人がいたという。
保護者向けの説明会は当初、事故発生翌日の7月6日に開催が計画されたが、亡くなった児童の家族への説明がない段階での開催は「筋違い」だとの指摘があり、直前で開催が延期されていた。
約2時間の説明会が終了した後、記者団からの取材で事故の根本原因について聞かれた市教委の松下整教育長は「私が考える原因は、長浜小の子どもを南海中で泳がせたことだと思っている」と述べた。【小林理】

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