【子どもの連れ去りが多発】「公園は安全」は大間違い 「だれでもトイレ」にも危険あり 犯罪学の専門家が指摘する「犯罪者が狙うポイント」

今年の8月4日に、北海道北斗市の公園で、未就学の女の子が見知らぬ男に性的暴行を受けた事件が発生した。女の子は午後3時ごろに母親と一緒に公園に遊びにきていたが、女の子が1人になったタイミングで、犯行に及んだとみられている。
また、2011年に熊本県熊本市で当時3歳の女の子が行方不明になり、翌日に遺体で発見された事件では、犯人はスーパーマーケットのトイレで女の子を殺害。リュックサックに入れ、その場を離れ、近くの排水路に遺棄したことがわかっている。
公園やスーパーマーケットといった、人目がある場所で、保護者が同伴していても安心してはいけない。公園や商業施設に潜む“危険”と“防犯策”を、犯罪学を専門とし、『子どもは「この場所」で襲われる』などの著書がある小宮信夫教授が解説する。
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日本の公園は危険がいっぱい
日本では公園とトイレは最も危険な場所です。
日本の公園は、誰もが自由に出入りできる空間として設計されています。海外でも 公園は基本的に誰もが自由に出入りできますが、中の構造が違っています。欧米では広々とした公園でも遊具を一か所に集め、その周囲をフェンスで区切ってあります。そうしておけば、そこに大人がいたら目立つので犯罪者は近づけません。
加えてフェンスの外側には、遊具を背にするようにベンチが置かれている場合もあります。犯罪者はターゲットを定めようと、周囲から子どものほうに顔を向けます。すると、保護者と目が合ってしまうので、犯罪者はこうした場所を連れ去り現場には選ばなくなります。遊具に向くようにベンチが置かれている日本とは対照的です。
さらには、犬を連れた人も公園内のドッグゾーンで一緒に遊べるようになっています。日本では公園で犬を放すことができないので、散歩の通り道にしかなっていませんが、ドッグゾーンで人が犬と一緒に公園に滞在できるようにすれば、人の目が生まれますから子どもが安全になるのです。
海外の公園は、基本的にこのようにゾーンが区切られています。これをゾーニングと言います。子どもはここ、大人はここ、犬を連れた人はここという具合にゾーンが分かれていることで、それ以外の人間が「入りにくい」場所になっているのです。
日本のマンションには、ちょっとした公園や緑地が付属していることがよくあります。法律でそうしたスペースをつくるように促されているのです。
ところが、こうした公園も深く考えずにつくったものがほとんどで、防犯面が考慮されていない、入りやすく見えにくい危険な場所がたくさんあります。

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