〈スーパーカー飛び石詐欺〉「さらっちまうぞ!」「燃やすぞ」恫喝ざんまいだったタワマン住まいの“セレブ気どり夫婦” 車の修理業者にも「俺のフェラーリに勝手に乗りやがって」「傷つけた」とイチャモン

〈〈スーパーカー飛び石詐欺〉「タワマンの家賃に充てた」ターゲットをフェラーリで追跡し因縁をつけてカードを不正入手…逮捕された“セレブ気取り”夫婦の悪質手口、共犯者は家賃3万アパートで…〉から続く
スーパーカーに乗ってトラックの後ろを走り「飛び石で車が傷ついた」などと因縁をつけて免許証を撮影、その情報をもとに不正に取得したクレジットカードで高額の買い物を繰り返して警視庁に詐欺容疑などで逮捕された東京都江東区豊洲の職業不詳、斎藤貴聡(32)と妻の智華(33)両容疑者の悪評が止まらない。
〈画像〉3500万…斎藤夫妻の真っ白なフェラーリと智華容疑者、インネンをつけては金をせびりまくっていたという
妻はバーキン、夫はルイ・ヴィトンとロレックスでセレブ気どり
宮城県から上京したふたりは、セレブを気取って湾岸エリアのタワーマンションに住み、「修理」と称してフェラーリを持ち込んだカーショップでも難癖をつけてカネを脅し取ろうとするなど、狂犬のような夫婦として認知されていた。
「事件のニュースを見て、旦那の方は長髪になっていたのでピンと来なかったんですが、嫁の顔を見て『あの特徴的な顔は間違いない』と確信しました。そう、豊洲のタワマンに住んで何の仕事をしてるのかもよくわからない斎藤貴聡・智華夫妻ですよ」
集英社オンラインの取材にこう証言するのは、斎藤容疑者のフェラーリを修理したことがあるカーショップの関係者だ。意外にも第一印象は良好だったという。「どこかの車屋でフェラーリの修理なら私の店がいいだろうと薦められたみたいで、連絡が来たのちに見積もりや修理の受付をするために夫妻で会社にやってきました。2022年のことです。2人とも第一印象はまったく悪くありませんでしたよ。ただ、見積もりの最中もずっと嫁がしゃべっていて、旦那は横でほとんど黙っている状態で、嫁に尻に敷かれているように見えました。嫁はハイブランドの服にピンク色のバーキン(エルメスの超高級バッグ)を持っていて、旦那はヴィトンの服に金無垢のロレックスのデイトナをつけていました」
セレブ気取りで見栄っ張り感満載の斎藤夫婦は、聞いてもいないことをベラベラと話し始めたという。「嫁は『仙台出身で向こうに家を持ってるけど空き家になっているから誰かに貸し出したい』『フェラーリの他にもベンツとプリウスを持っている』『私達ジェットスキーを始めたいんだけどいくらくらいかかるのかしら?』などとりとめのない話をずっとしていました。時折、旦那の方も『ボディビルをやっていて趣味は筋トレなんだ』とか言いながらポーズをとったりしていました。今回の逮捕報道に出ている写真よりは痩せている感じで、ウチに来たときは黒髪短髪の角刈りでしたけど、嫁に関しては特徴的な顔をしていたのでニュース見てすぐに『あいつらだ』ってわかりました」
修理で来店するも…「勝手に乗り回してんじゃねーぞ」
持ち込まれたフェラーリは、「488GTB」というグレードだったという。「今の価格なら中古で2000万円後半~3000万円前半くらいですね。新車価格でも3150万円ですけど、フェラーリは投資目的で買う人もいるくらいなので中古でもそんなに値落ちしないんです。嫁は『V8のエンジン音がいい』とか言ってましたけど、それよりもフェラーリに乗ることで得られるなんらかのメリットを享受しようとしていたんでしょう。旦那が『名義は俺だけどオーナーは嫁ってことにしてるんだ』と言っていたぐらいだから。フェラーリの女オーナーとかだと一目置かれたりするんで、SNSでそうやって目立って寄ってくる人たちを相手に何かをしようとしてるのかなって勝手に思っていました。いずれにせよ最初の印象ば決して悪くはなかったんですが……」
ところが修理を終えてフェラーリを返した途端、夫妻は豹変した。「車を取りに来てもらった時は、嫁が黒のプリウスを運転していました。旦那がフェラーリを運転して、嫁がプリウスに乗って帰ったんですけど、それから1~2時間後くらいに旦那からすごい剣幕で、『お前、勝手に俺のフェラーリを40分以上乗りまわしているな』と電話がかかってきました。作業のために車を移動した数分しか乗っていないので否定すると、『ドライブレコーダーにお前が乗っているのが映っているんだ。てめーコラ、フェラーリに乗りたかったんか? 俺の車に乗りたかったんか?』とまくし立てるんです。嫁の方も電話口の横から『てめー勝手に乗り回してんじゃねーぞ』などと叫んでいました」
このカーショップ関係者は身に覚えのないことだったため、「調べ直してください」と冷静に言うと、斎藤容疑者はいったん電話を切ったしばらくのち、「40分乗っていたというのは違うわ」と電話をかけ直してきたという。ところが…
「今度は、『フェラーリを傷つけたな。俺たち夫婦は車に乗って家に帰ってきたあとに車の写真を必ず撮る。下回りに今までなかったはずの傷がついているんだよ』と言い出したんです。そんな傷はどこにも見当たりませんでしたが、ウチの会社がスロープになっている場所があって、そこで傷つけたと言い張るので『会社に持ち込んだ時にスロープで運転してきたのは斎藤さんだと思いますがその時こすりましたか?』と返すと黙り込んでいました。途中から、これはもうお金を取ろうとしているのだと気付いたんですが、案の定、『嫁がもうこの車には乗りたくないと言っている。3500万円用意するか新しい車を用意しろ』と言い出しました。そこから10日近く、電話でお金を払え、払えないといったやりとりを続けましたが、正直、本当に おかしい人だと思いましたよ」
「この中に斎藤夫婦はいますか?」と写真を見せられた
関係者が特に異常性を感じたのは、妻の智華容疑者の方だったという。「旦那に関しては終始、怒鳴っているわけでなくたまに普通に話ができるタイミングもあるのですが、嫁は電話口の横から、『てめーのところ燃やすぞ』『さらっちまうぞ』『ぶっ殺すぞ』から、果てには『お前の娘さらって嫁にいけない体にすんぞ』などと叫び続けていました。異常さを感じさせる声色で、ゾッとしましたよ。なので旦那に『ウチの娘をさらうとか、ぶっ殺すとか怖いです』と言うと、『そんなことは言っていない。あれは嫁の心の叫びだ』と意味不明の否定をしましたが、認めれば脅迫していることになると思っていたのかもしれません」
他にも今回のトラック運転手相手に起こした事件を連想させる出来事もあったという。「旦那から電話がかかってきた時に、横から『グオオラアアアア』といった感じの嫁の怒声が聞えてきたので『奥さんが横で何か言っているようですが…』と言うと、『心配するな。お前には言っていない。今、サービスエリアでちょっと揉めてんだよ』と言っていました。これは後から報道を見て思ったことですが、それこそ飛び石で揉めるという事件を起こしている最中ではなかったのかなと思っています。自ら反社を匂わすこともありましたよ。私に対して『お前、ヤクザ者と付き合いとかあんの?』と聞いてきたので否定すると『ほんとにねえのかよ。組織名とかまで言いたかねえけど、俺は頼むとこあんだよ』とも言っていました」
そんなやり取りが10日近く続いて困り果てたカーショップ関係者が、弁護士を通じて「ありもしない傷の損害など払えない」と裁判所に申し立てをする と、電話はピタっと鳴り止んだという。「警察署にも脅迫として被害届を出しにも行きましたよ。その際に警察から『この中に斎藤夫婦はいますか?』と30名ほどの写真を見せられています。2人の写真は防犯カメラなどの映像ではなく、正面を向いた写真でした。これまでにも色々やらかしてきたのかな…と感じました」
だが、斎藤夫妻とのやりとりはこれで終わらなかった。
「その後、電話がなくなったと思っていたら、今度は旦那が弁護士をつけて、『車両に傷をつけられ損害を被った』として反訴してきました。傷の見積をとって680万円請求してきていますが、当然ですがこんな事実はありませんし、こちらも弁護士も『こんなことがまかり通るはずがない』と言っています」
斎藤夫妻がここまで無茶苦茶な要求を続ける理由について、カーショップ関係者はこう類推した。「きっとお金が目的でしょう。豊洲のタワマンに住んでいると言っていましたし、フェラーリについてもローンが残っていたのを車検証で確認しました。頭金も払わずにローンを組んでいるとのことだったので、安く見積もっても月々20万円の支払いはあったはず。それに、身につけていたハイブランドやロレックスが本物なのかわかりませんけど、嫁は『よく銀座で買い物してる』なんてことも言っていましたから、お金はいくらあっても足りなかったんじゃないですかね。それで飛び石がはねたと難癖をつけて得た免許証のデータで詐欺までやってたんでしょう。ほんとフェラーリ乗りの風上にも置けないやつですよ」
虚飾にまみれた斎藤夫妻の犯罪ロードは強制終了させられた。その軌跡をたどれば、今後、被害者はさらに増えるかもしれない。
※「集英社オンライン」では、今回の事件について、情報を募集しています。下記のメールアドレスかXまで情報をお寄せ下さい。メールアドレス[email protected]@shuon_news
取材・文/集英社オンライン編集部ニュース班

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