岡山市で2022年、西田 真愛 ちゃん(当時6歳)が虐待を受けて死亡した事件で、交際相手とともに逮捕監禁致死罪などに問われた母親の西田彩被告(36)の裁判員裁判判決が11日、岡山地裁であった。本村暁宏裁判長は「しつけという名の虐待を繰り返す交際相手に不干渉を決め込んでおり、到底許されない」と述べ、求刑通り懲役10年を言い渡した。弁護側は即日控訴した。
判決によると、西田被告は交際相手の船橋誠二受刑者(41)(懲役14年が確定)と共謀。21年9月10~24日、西田被告の自宅で、真愛ちゃんをいすの上に置いた鍋の中に長時間立たせたり、食べた物を吐かせたりする暴行を繰り返した。同25日には、真愛ちゃんを布団でぐるぐる巻きにした上で押し入れに放置して意識不明にさせ、翌22年1月に低酸素脳症で死亡させた。
西田被告は公判で「直接虐待はしていない」と述べ、弁護側は「船橋受刑者との共謀は成立せず、ほう助にとどまる」と主張した。
これに対し、本村裁判長は、西田被告が船橋受刑者に真愛ちゃんの素行を報告し、船橋受刑者が報告内容に応じた罰として虐待を繰り返したと指摘。西田被告が虐待を認識しながら制止しなかったことも踏まえ、「意思を通じ合っていた」と共謀を認めた。
真愛ちゃんが意識不明になったのが6歳の誕生日の翌日だったことについて、「残酷な結末に無念の情を禁じ得ない」と言及。「西田被告は自らの責任を理解しておらず、反省は、はなはだ不十分だ」とも述べ、児童虐待の死亡事案の中で「相当に重い部類と評価できる」と結論付けた。