11日に亡くなったペルーのアルベルト・フジモリ元大統領は初当選した1990年に両親の出身地の熊本県旧河内町(現熊本市西区)を訪れ熱烈な歓迎を受けた。訃報が伝わった12日、地元では惜しむ声が聞かれた。
熊本市の河内まちづくりセンターによると、フジモリ氏は同年7月4日に来訪。小学校で歓迎祝賀式典に出席し、名誉町民証を贈られた。
センターにはこの際の写真が多く残り、住民らがペルー国旗を振って出迎える様子を伝えている。当時町職員として写真を撮影した河村ゆかりさん(63)は「町の一大イベント。すごい盛り上がりだった」と回顧。フジモリ氏はその実績の一方、有罪判決を受けるなど波乱の人生を歩んだ。「いろいろなことがあったが、もう一度来ていただきたかった」と惜しんだ。地元出身の同センター所長、甲斐和夫さん(56)は「河内町をルーツに、一国の大統領にまでなられた方。訃報を悲しく思っている」と話した。【中村敦茂】