千葉市議会の会派「日本維新の会・無所属の会」は13日、会派所属の議員が紹介議員となった請願の文書について、請願者とされる人物が署名していなかったと明らかにした。会派所属の議員がこの人物を装い、署名していたという。また、会派所属の別の議員がこの人物とは異なる「市民」から寄せられた意見を基に、請願の文章を作成していたことも明らかにした。
守屋聡幹事長が13日の議会運営委員会で、問題の請願に会派所属の桜井崇議員と大平真弘議員の2人が関与していたと説明。「請願そのものがでたらめな書類だった」「すべてが自作自演の請願書」と述べた。そのうえで、「市民の権利を 冒涜 するもので、痛恨の極み。会派を代表しておわびする」と謝罪した。
守屋幹事長によると、桜井議員は11日、署名を「代筆」したと守屋幹事長に申し出た。大平議員は、この人物ではない「市民」から寄せられていた声を基に、請願の文章を作成していた。桜井議員は守屋幹事長に対し、この人物から「請願内容を知らない」と言われたことも打ち明けたという。
議会運営委員会では、他会派の委員から「請願制度に対する冒涜であり、民主主義に対する冒涜」などの批判があり、厳しい処分を求める声が上がった。複数の市議によると、17日の議会運営委員会に、2人の辞職勧告決議案が提出される見通しだ。
議会事務局によると、請願の締め切りは8月28日だった。桜井議員は同日午前、別の請願者の署名が入った請願書を提出。その後、取り下げを申し出ていた。そのうえで、「別の人が見つかった」として請願者を今回の人物に書き直し、改めて請願書を提出していた。桜井議員は報道各社の取材に「(請願者との間に) 齟齬 があった」と述べた。