ジェット船漂流、用途異なる油圧ホースを誤使用…国交省が東海汽船に警告

千葉・房総半島沖で7月、東海汽船(東京)の運航するジェット船「セブンアイランド愛」(乗客乗員121人、約280総トン)が漂流した事故で、用途の異なるホース1本が誤って使われていたことがわかった。このホースの損傷による油漏れが不具合の直接原因だった。国土交通省は25日、東海汽船に対し、海上運送法に基づく警告を出した。
国交省と東海汽船によると、損傷したのは本来船内に用いるオレンジ色の油圧ホースで、2021年末の整備の際、黒色の水中用油圧ホースと取り違えて左舷側の油圧系統に使用した。誤ったホースは10センチ以上長く、無理に曲げて収納した結果、損傷が起きた。
さらに、左舷側の油圧低下を知らせる警報が作動した直後、機関操作を担当する乗組員が、右舷側ガスタービンを操作マニュアルに反して緊急停止。右タービンの起動装置は、異常の起きた左舷側の油圧系統で操作する仕組みのため再起動ができなくなり、船は左右両側で推進力を失った。
マニュアルに従って左舷側タービンだけを停止していれば右タービンで航行を継続できたとみられ、国交省は同社の乗組員に対する教育が不十分だったと指摘。東海汽船は「再発防止に取り組む」とコメントした。

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