自民党が、衆院選で無所属で当選した議員の取り込みに注力している。与党が過半数割れとなり、安定した国会運営に向けて、自民会派の人数を増やす必要に迫られているためだ。無所属で当選した旧安倍派の世耕弘成、萩生田光一両氏ら6人の会派入りが決まり、さらに増やすことを目指している。
自民幹部によると、ほかに自民会派入りするのは、旧安倍派の西村康稔氏、旧二階派の平沢勝栄氏と、自民公認候補を破って当選した三反園訓、広瀬建両氏。世耕氏は、派閥の政治資金問題で離党勧告処分を受けて離党し、衆院選に挑んだ。西村氏は党員資格停止1年、萩生田、平沢両氏は党の役職停止1年の処分を受け、自民は3氏を公認せず無所属で出馬していた。
特別国会では、首相指名選挙も実施される。自民執行部には、同じ会派に所属してもらい、自民の石破茂総裁に投票してもらう思惑もある。
自民は、衆院解散前に衆院会派「有志の会」を結成していた無所属議員4人の会派入りも模索している。4人は、「考え方が自民に近い部分もあり、連携しやすい」(石破首相周辺)とみる向きもある。
とはいえ、衆院選での自民、公明両党の当選者数は計215人で、仮に無所属議員計10人が加わった場合でも衆院の過半数(233議席)には届かない。
派閥の政治資金問題を受けて、離党や党の処分を受けた世耕氏ら4人の会派入りには、「『政治とカネ』の問題を蒸し返すことになり、世論から批判を受けかねない」(自民ベテラン)との慎重論も根強くある。