東京都新宿区の路上で動画配信中の女性が刺され死亡した事件で、逮捕された高野健一容疑者(42)が「事件を起こし裁判になれば女性のしたことを世の中に知ってもらえると思った」という趣旨の供述をしていることが14日、捜査関係者への取材で分かった。200万円を超える金を貸したが返済がなかったとしており、警視庁が経緯を調べている。
女性は佐藤愛里さん(22)。高野容疑者が「二つの消費者金融から100万円を借りた。女性のためだった」と説明していることも判明。佐藤さんに送金していたとみられ、栃木県小山市にある高野容疑者の自宅の家宅捜索では佐藤さん宛てを含む十数点の振込明細書が押収された。
2022年8月ごろから佐藤さんが勤める飲食店に通い「携帯料金や当面の生活費がないので貸してほしいと頼まれた。23年1~2月ごろ連絡が取れなくなった」と話している。同8月に貸した金の返済を求めて提訴し、判決は佐藤さんに約250万円の支払いを命じた。容疑者は昨年1月、栃木県警に「相手が所在不明になった」と相談していた。