SNSでつながり特殊詐欺などに関与する「匿名・流動型犯罪グループ(匿流)」への対策を強化するため、警察庁は18日、国内のメガバンク3行を含む大手銀行と不審な口座情報を共有する協定を結んだ。
協定を締結したのは、みずほ銀行、三菱UFJ銀行、三井住友銀行、三井住友信託銀行、りそなグループ4行の計8行。警察は詐欺が疑われる取引の特徴などを伝え、銀行側は不審な口座情報を警察に速やかに通報する。
警察庁によると、全国では昨年、「SNS型投資・ロマンス詐欺」と特殊詐欺の被害額が約1990億円に上り、このうち約7割は口座に送金させる「振り込み型」だった。
被害拡大の防止に向け、同庁は今年1月にゆうちょ銀行と、2月にはPayPay銀行と同様の協定を締結。地方では取り組みが先行しており、5月末時点で、43の警察本部が地銀や信用金庫など計425の金融機関と協定を結ぶなどしている。
全国の警察には今年1~5月、計1866件の口座情報が提供され、このうち約7割で詐欺被害者の特定につながった。詐欺グループが管理する口座が発見されたケースも45件に上った。警察幹部は「大手銀行の協力も得て、被害の拡大防止に努め、迅速な摘発にもつなげていく」としている。