雌阿寒岳「警戒レベル2」で入山規制を開始…登山者らに注意呼びかけ、7合目に規制線

雌阿寒岳(1499メートル)の噴火警戒レベルが15日、「1(活火山であることに留意)」から「2(火口周辺規制)」に引き上げられた。国や道などでつくる雌阿寒岳火山防災協議会は「情報連絡本部」を設置。地元の北海道釧路市や足寄町は入山規制を開始し、登山者らに火口周辺に立ち入らないよう注意を呼びかけている。
札幌管区気象台によると、11日から火山性地震が増加し、24時間で最大94回の地震を観測した。12日には火山活動が活発化した時や噴火の際に多く観測される火山性微動も約7分間確認された。白色の噴気量も増え、熱活動が活発化しているとわかったという。
15日に記者会見した気象台の谷口正実・火山対策調整官は「火山活動が高まる可能性はある」と説明した。
警戒レベルの引き上げに伴い、釧路市は阿寒湖側の登山道の6合目からポンマチネシリ火口までの入山を規制し、看板設置や市ホームページで周知した。足寄町はオンネトーと雌阿寒温泉からの二つの登山ルートのそれぞれ7合目に規制線を張った。登山届が出されている登山者に連絡を取って確認も進めている。
雌阿寒岳火山防災計画では、レベル2は一般の住民は情報に注意しながら通常の生活を送るとしている。火口から直線で8キロほどの釧路市の阿寒湖温泉地区では16日、旅館や飲食店、学校などは通常の営業、授業を行った。NPO法人阿寒観光協会まちづくり推進機構の観光案内所には「大丈夫か」といった電話などでの問い合わせが寄せられており、担当者は「入山は控えてほしいが、レベル2の段階では温泉街に影響はない」などと案内しているという。
火山防災計画によると、レベル3に引き上げられた場合は、噴火の規模に応じて道路の交通規制や泥流危険区域からの避難、高齢者らの避難の準備などの対応を想定している。

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする