群馬県みなかみ町下津で13日早朝、高齢夫婦がクマに襲われ、軽傷を負った。現場にいた親子とみられるクマ2頭は捕獲されておらず、沼田署や町が周辺住民に注意を呼びかけている。
同署の発表によると、夫婦は林道を散歩中に突然現れたクマに襲われた。男性(76)は左手に、女性(69)は左腕と左脚に軽傷を負い、近くの民家に駆け込んだ。
現場はJR上越線後閑駅から南西に約1キロ離れた田畑に住宅が点在する地域で、北に約1キロ離れた場所には町立みなかみ中学校がある。
同署は不要不急の外出を控え、戸締まりをするなど注意喚起し、町は現場近くに捕獲用の檻二つを設置した。
現場周辺では住民がクマに襲われる被害が相次ぐ。
7日には南東約3キロの沼田市のスーパー「フレッセイ沼田恩田店」にクマ1頭が侵入し、買い物客の男性2人が軽傷を負った。先月22日には、東に約1・5キロのみなかみ町の休耕地で男性が背後からクマに尻をひっかかれて軽傷を負った。
現場近くに住む70歳代男性は「年に1、2回はクマを見かけるが、人が襲われるのは何十年ぶりだ。最近はあちこちで出没しているので日課の散歩をやめている」と不安そうに話した。