高市早苗首相が今月23日召集の通常国会の冒頭で解散し、最短で27日告示、2月8日投開票の衆院選に踏み切る可能性が報じられた。自民党の〝奇襲作戦〟により、永田町に激震が走っている。
読売新聞は9日、「高市首相が解散検討」と報じ、毎日新聞も続いた。報道を受け、立憲民主党の野田佳彦代表は予算案の3月中の成立が難しくなることから「働いて働いて働いてと言ってる割には、また政治空白を作る。物価高や経済のために働かないで、信を問うというやり方がいいのかどうか」と疑問を呈した。一方、連立を組む維新の藤田文武共同代表は「解散は首相の専権事項。いつでも戦える準備をしておくのが衆院議員の使命」と応じた。
高支持率を維持する高市政権は、年内に解散総選挙のカードを切ると予想されていたが、通常国会の召集日が遅くなったことやイタリアのメローニ首相、アラブ首長国連邦のムハンマド大統領の来日が控え、冒頭解散はないとの見方が大勢だった。
「解散を検討したまで」「読売の飛ばし記事」と観測気球との見方もあるが、この時期は外遊や正月休みムードの議員も多い。解散なら告示まで1か月を切っており、野党が準備不足なのは明らかだ。衆院選の小選挙区は289区あり、野党はまだ擁立の準備を進めている最中。自民と連立を解消した公明党も選挙時に他の野党との連携を含めて、対応は決まっていない。
永田町関係者は高市首相が5日の伊勢神宮参拝時に安倍晋三元首相の写真を持っていたことが解散を決意した表れとの見方を示す。「高市首相は『もう一度、伊勢神宮に連れてきてあげたかった』と話していたが、安倍氏も2017年に不意打ち解散で勝利し、長期政権につなげた。高市首相は昨年から情勢調査の結果を見て、綿密にプランを描いていたのではないか」と指摘する。
野党第1党の立憲が低迷し、高市政権に「勝てる確証」があるとみられる以上、解散総選挙となりそうだ。