英文学者で演劇評論家の小田島雄志さん死去、95歳…シェークスピア翻訳

東大教授、東京芸術劇場館長など歴任
シェークスピア戯曲翻訳の第一人者で、温かみのある劇評でも知られた英文学者で演劇評論家の小田島雄志(おだしま・ゆうし)さんが8日、老衰のため亡くなった。95歳だった。告別式は近親者で行った。
旧満州(現中国東北部)の奉天(現瀋陽)生まれ。1949年に東京大に入学し、2年生の時に坪内逍遥訳のシェークスピア全集を読破。「シェークスピアのセールスマンになろう」と決意し、翻訳や著述、上演で魅力を伝えようとした。
40代になって全37作の翻訳に挑戦。7年がかりで80年に完了した。個人による全訳は日本人では坪内逍遥に次いで2人目で、同年度の芸術選奨文部大臣賞を受賞。平易で伸びやかな言葉遣いが支持され、蜷川幸雄をはじめ多くの演出家が小田島訳を採用した。一方で、アーノルド・ウェスカー、ハロルド・ピンター、テネシー・ウイリアムズといった英米の劇作家の戯曲やロシアのチェーホフの英訳版の戯曲も翻訳した。
演劇評論については、「ほめることしか書かない」と言い切り、専門の英国演劇をはじめ、歌舞伎から落語、宝塚歌劇、小劇場まで幅広くカバーした。
東大教授、東京芸術劇場館長、読売演劇大賞選考委員などを歴任。2002年文化功労者。08年に私費を投じて小田島雄志・翻訳戯曲賞を創設した。本紙夕刊に05~16年、演劇に関するコラム「小田島雄志の芝居よければすべてよし」を連載した。
「シェイクスピアの人間学」など一般向けの紹介本のほか、「ダジャレ」に関するエッセーも執筆。「クイズダービー」の解答者などテレビ番組でも親しまれ、酒とマージャン、パチンコを愛する趣味人でもあった。妻の若子さん、次男の恒志さんとその妻の則子さん、孫の創志さんとその妻の一川華さんも、それぞれ翻訳家として活躍している。

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