ジャニーズ会見に評価も「救済具体策見えない」 性加害問題当事者の会

ジャニーズ事務所が7日の記者会見で、藤島ジュリー景子社長の引責辞任と東山紀之新社長の就任を発表したことを受け、「ジャニーズ性加害問題当事者の会」(平本淳也代表)が同日午後、東京都内の日本記者クラブで会見に臨んだ。同会の石丸志門副代表は、同事務所がジャニー喜多川氏による性加害問題を事実として認めたことに触れ、「事実認定と(被害者への)謝罪、救済という会が繰り返し求めていた〝3点セット〟が認められたことは喜ばしい」と一定の評価を下した。一方で会のメンバーからは、「救済についての具体策が見えない」などと不満の声も漏れた。
会見には、同会のメンバーら8人が参加。平本代表はジャニーズ事務所の会見について「藤島ジュリー景子社長が登壇されたこと、性加害を認めて謝罪したことは評価に値する。被害者が救われるのであればやれることは全部やってほしい」と話し、今後の動きを見守っていく考えを示した。また、藤島氏が社長は辞任するものの、代表取締役として社に留まることについても「責任の取り方としては、辞めてどこかに行くよりもはるかによかった。要するに『被害者の救済担当取締役』のような位置づけだと認識している。会の希望として、ジュリーさんには残って責任を取っていただきたいと思ってきた。形としては十分歓迎すべきだ」と話した。
一方で、新社長にタレントである東山氏を選んだことには疑問の声が相次いだ。石丸副代表は「ジャニーズ事務所の会見を見て、巨大企業のリスク管理という観点からは、非常に稚拙で準備不足だとの印象を受けた。『タレントは表に出るべきではない』と守るのが、企業ガバナンス(組織統治)だと思う。実務経験のないタレントをトップにしたことについては、事務所の危機管理能力を疑わざるを得ない」。当事者の会メンバーの志賀泰伸さんも「謝罪はあったものの、救済の具体策が見えない。新社長は(性加害を)黙殺してきた側で、今後、果たしてこちらの会の要請に応えていただけるのか疑問だ」などと述べた。

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする