茨城・日立で1人が行方不明、8世帯がなお孤立 台風13号被害

熱帯低気圧に変わった台風13号の影響で、11日午後5時までに茨城県日立市で新たに1人の行方不明者が、高萩市でけが人1人が判明した。日立市では8世帯14人程度が孤立したままで、民家の床上浸水は県全域で353棟に上っている。
県災害対策本部などによると、日立市砂沢町で40代男性が8日夜、出勤途中に「車が水没して仕事に行けない」と職場に連絡した後、連絡が付かなくなった。車は見つかったが、本人は見つかっていない。高萩市では70代男性が避難中に転倒して軽傷を負った。今回の大雨では、北茨城市の塩田川で見つかった20代男性の死亡が確認されている。
日立市では、十王町高原の一部の集落につながる市道2カ所で土砂が崩れ、8世帯14人程度が孤立している。電気と電話が通じるものの水道が通じず、県が12日にヘリコプターで水や食料を届ける。
午後5時現在、民家の床上浸水は計353棟、床下浸水は計476棟に上った。病院や福祉施設、認定こども園なども被災。日立市で被害が増える可能性がある。常磐自動車道下り線の一部通行止めは12日に解消される見込み。
農林水産関係では、北茨城市の水産加工施設で冷蔵庫が水没などしたほか、水稲、大豆、そばなど農作物も冠水し、被害額は約1億3186万円(暫定値)に上っている。
高萩市は総合福祉センター(080・3700・8341)、北茨城市は市役所西側多目的棟(0293・44・8558)でボランティアを募集している。日立市社会福祉協議会(0294・87・7222)では協定を結ぶ企業ボランティアなどを派遣しており、土砂撤去などの要望を受け付けている。【木許はるみ】

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