いじめ防止法「息子が命懸けで作ったが…」施行10年、父の訴え

大津市で2011年、いじめを受けた中学2年の男子生徒が自殺してから11日で12年になり、生徒の父親(58)が市内で記者会見した。問題を受けて制定された「いじめ防止対策推進法」の施行から9月で10年となったことを受け「息子が命懸けで作った法律だが、昨年度のいじめの認知件数は過去最多となり、増え続けている」と法改正の必要性を訴えた。
生徒の自殺を巡っては、学校や市教委がいじめに関する情報を適切に公表していなかったことが問題視され、いじめへの対応と防止について学校や行政の責務を定めた同法が13年に成立した。
父親は同法で各学校に「いじめ防止基本方針」の策定が求められるようになったものの、履行までは義務づけられていない点などを不備として指摘。また、文部科学省の「問題行動・不登校調査」で、いじめによる自殺者の実態が見えにくいことを挙げて「いじめ自殺者数の調査が適切にされていないのではないか。憤りを感じ、息子に報告できない。今後も法改正に向けて息子の代わりに動いていく」と述べた。【飯塚りりん】

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