大阪市天王寺区の天王寺動物園で17日午前、チンパンジー1頭がおりから脱走した。同園は、来園者を園外に退避させ、臨時休園にした。大阪市消防局によると、40歳代の男性獣医師が顔をかまれてけがを負ったが、意識はあるという。
大阪府警天王寺署によると、午前10時20分頃、「おりからチンパンジー1頭が逃げている。園外には出ていない」と同園から通報があった。大阪市建設局によると、チンパンジーはメスで、同園職員が午前10時35分頃におりの外にいるところを発見し、同55分頃に麻酔銃を命中させたという。正午現在、園内の木の上におり、職員らが様子を見守っている。
近くの天王寺公園の広場は、動物園から退避した小学生らで埋め尽くされた。大阪市住吉区の幼稚園児約50人は園外へ出た。引率していた男性教諭は「脱走したと聞いて、驚いた。休園は残念」と話していた。
家族で訪れた大阪市住吉区の保育士の男性(39)は入園直後に「緊急事態です。園外に出てください」とアナウンスが流れ、退園した。「無事にチンパンジーが確保されてほしい」と話した。