被告、判決文読み上げに座ったまま正面を向く 埼玉・本庄の5歳児虐待死事件

埼玉県本庄市で令和4年1月、柿本歩夢ちゃん=当時(5)=が虐待され死亡した事件で、さいたま地裁(北村和裁判長)は24日、傷害致死などの罪で石井陽子被告(56)に懲役13年の判決を言い渡した。判決は石井被告が否定していた傷害致死の共謀を認定。「暴行は執拗で悪質極まりない」などの厳しい言葉が並んだ判決の読み上げ中、被告人席に座ったまま正面を向き、その表情は読み取れなかった。
石井被告はしま模様のセーターにスラックス、マスク姿で出廷。髪は腰まで伸び、髪先だけに金髪が残るなど手入れされていない様子だった。痩せており、4年3月の逮捕時から体重は約30キロ減ったという。
判決の言い渡し前、北村裁判長に被告人席に座るように促されると、「はい」と小さな声で答え、そのまま席に座った。
ほぼ動かずに判決を聞いていた石井被告だが、これまでの公判では、検察側の質問に声を荒らげる場面もあった。
石井被告は歩夢ちゃんへの虐待を繰り返しており、死亡に至った以外の虐待は認めていた。被告人質問で、検察側に虐待時の心情を聞かれると、死亡時以外のいずれのときも「けがをさせないように気を付けていた」などと供述。ただ、力加減などの具体的なことを聞かれると、「覚えていない」と繰り返し、さらに追及されると「覚えていないと何度も言っている」と語気を強めた。
また、石井被告は歩夢ちゃんの遺体を遺棄した後、「身辺整理をしてから出頭するつもりだった」と供述していた。この点について裁判員から「逮捕されるまでに何か身辺整理をしたのか」と問われると、「平常心を保つのが精いっぱいで何もできなかった」などと述べていた。

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