ついに霞が関も「倒閣」に動きはじめたのか──。内閣支持率が“危険水域”の20%台まで下落し、“早期退陣”の声もあがる岸田内閣。岸田氏周辺は、霞が関の「2大権力」とされる検察と財務省の動きに神経をとがらせているという。政権離反した疑いがあるからだ。
自民党の5大派閥が、政治資金パーティーの収入を政治資金収支報告書に記載していなかった問題に、東京地検はどこまで切り込むのか、自民党議員は戦々恐々としている。
東京地検は各派閥の職員を任意に聴取し、大物議員からも話を聴いた、という話も飛びかっている。政治資金パーティーを利用して「裏金」をつくっていたとしたら、政治資金規正法違反の罪で立件された自民党の薗浦健太郎前衆院議員とまったく同じだ。特捜部の捜査次第では、派閥幹部が立件される可能性がある。
「まさか地検特捜部が、ここまで本腰で捜査を進めるとは思わなかった。岸田政権への打撃は大きいですよ。さらに、公職選挙法違反の疑いがかかっている柿沢未途議員の捜査もつづいている。もし、柿沢議員の身柄を取られるようなことがあったら、岸田政権への批判が強まるのは確実です。安倍政権の時は、こんなことはなかった。やはり政権が弱体化していると、捜査をやりやすいのだろうか」(自民党関係者)
弱体化に拍車
岸田内閣を支えてきた“最強官庁”である財務省も、岸田政権と距離を置き始めたのではないか、と指摘されている。岸田首相が強調してきた「税収増を還元する」という所得税減税の理屈を真っ向から否定したからだ。
鈴木俊一財務相は、国会で「税収の増えた分は、政策的経費や国債の償還などにすでに使っている」と平然と答弁している。還元する財源はない、と認めてしまった。財務大臣の答弁は、財務省が作っている。岸田氏は財務省からハシゴを外された格好だ。永田町では一時「財務省の倒閣運動が始まったのか」と騒然となったらしい。
「さすがに財務省や検察が倒閣に動くことはないですよ。偶然が重なっただけでしょう。でも、安倍官邸が霞が関を強権支配していた時なら、忖度がはたらき、政権を困らせるようなことはやらなかったでしょう。いまは財務省も検察も、やるべきことをやっている、ということだと思う。ただ、それが結果的に岸田首相を窮地に立たせていることになっています」(霞が関事情通)
弱体政権の退陣も近いのか。