女性客に高額料金を請求し売春などをさせる「悪質ホストクラブ」問題を受け、警察庁の露木康浩長官は27日、東京・歌舞伎町を視察した。長官の歌舞伎町視察は異例で、2005年以来18年ぶり。
同庁は今月、都道府県警察に悪質ホストの取り締まりを強化するよう通達を出しており、長官自らの視察で対策の重要性を全国の警察に示す考えだ。
歌舞伎町には約300店のホストクラブがある。悪質な店では、女性客に支払い能力を超えた高額料金を請求し、「売掛金」(ツケ払い)として多額の借金を背負わせ、売春させて回収する事案が相次いでいる。
露木長官はホスト街や、売春の客待ちが増えている大久保公園周辺を視察し、警視庁新宿署長らから説明を受けた。視察後、報道陣の取材に「女性からの搾取をなくしていかなければならない」と強調。「歌舞伎町が象徴的だが、大阪や名古屋などにも問題が広がりつつあり、全国で関係機関と連携して対策を進めなければならない」と話した。
露木長官は16日の定例会見で、悪質ホストクラブ問題について風営法や売春防止法、職業安定法違反による取り締まりを行ってきたと強調。その上で「匿名・流動型犯罪グループが背後で不当に利益を得ている可能性も視野に入れて対策を強化している」と明かした。
[時事通信社]