いわゆる“大麻グミ”を食べ、全国で体調不良を訴える人が相次いでいる問題で、私たちは過去に“大麻グミ”を販売していた店を取材しました。専門家は「脳の動きを変えてしまう」と危険性を指摘しています。
全国で救急搬送される人が相次いでいる、いわゆる“大麻グミ”の問題。厚生労働省は“大麻グミ”から検出された大麻成分に似た合成化合物「HHCH」について、11月22日「指定薬物」に追加。12月2日から所持、使用、流通が禁止となります。
静岡県内でも2023年4月、“大麻グミ”の可能性があるグミを食べた富士市の20代の男性が、体調不良を訴え病院に搬送されました。消防によりますと、男性はグミを食べたり酒を飲んだりした後に気分が悪くなったということですが、“大麻グミ”との関連はわかっていません。
“大麻グミ”について、神経科学の専門家は、若い人が大麻成分を体内に入れると「本来の脳の動きを変えてしまう危険性がある」と訴えます。
(滋慶医療科学大学 木村文隆 教授)
「本来は緻密に制御することで神経回路が出来上がっていくが、大麻成分を鼻や食べ物から摂取すると、血液の中に入り脳全体に入る。大人になっても正しい神経回路ができず、幼稚な脳のままで終わってしまう」
厚生労働省は、今後「HHCH」に類似した薬物が出回る可能性があることから、包括的な薬物指定も速やかに検討する考えです。木村教授は“大麻グミ”など大麻に似た成分が入った商品は「厳しく規制するべき」と指摘します。
(滋慶医療科学大学 木村文隆 教授)
「(大麻成分は)気持ちよくなるだけではなく、いろいろなところで、いろんな作用をおこしているので甘く考えない方がいい」「絶対に手を出してはいけないもの、そういうものが簡単に手に入るような今の状況は、大変危ない状態で規制の仕方も考えるべき」
「HHCH」を含む“大麻グミ”は、12月2日から販売が禁止されますが、県は今後も注意を呼び掛けていく方針です。