今年の梅毒感染者数が1万3251人(19日現在)となり、現在の調査方法で統計を取り始めた平成11年以降で最多となったことが28日、国立感染症研究所の調べで分かった。梅毒感染した妊婦から胎児にうつる「先天梅毒」と診断された子供も32人(10月4日現在)と11年以降で最多。若年層を中心に感染が拡大しているとみられ、警戒が高まっている。
感染研によると、19日現在の都道府県別の梅毒感染者数は、東京都(3244人)が最も多く、▽大阪府(1760人)▽福岡県(829人)▽北海道(607人)-などとなっている。
梅毒感染者は平成23年ごろから増加傾向にあったが、令和元年と2年に減少。だが3年以降再び増加に転じ、4年には1万2966人(速報値)となった。近年は男性が20~50代、女性が20代に多くなっている。
梅毒は主に性的接触により、梅毒トレポネーマという細菌が原因で発症し、体にしこりや発疹が出ることがある。抗菌薬(抗生物質)の服用や注射で治療できるが、放置すると心臓などに重い症状が出ることもある。