立川ホテル殺人 22歳の元少年に検察側が懲役25年を求刑、元少年側は「心神喪失」と無罪主張 東京地裁立川支部

おととし、東京・立川市のホテルで、風俗店の店員の女性を包丁で刺して殺害した罪などに問われている当時19歳だった元少年に対し、検察側は懲役25年を求刑しました。
元少年(22)はおととし6月、19歳だった時に立川市のホテルで風俗店の店員の女性(当時31)を包丁で刺して殺害した殺人の罪などに問われています。
元少年側はこれまでに「心神喪失状態だった」と無罪を主張していて、裁判の主な争点は元少年に責任能力があるかどうかです。
きょう東京地裁立川支部で開かれた裁判で、検察側は「凶器の包丁を事前に用意し犯行前日に風俗店に電話をかけて予約するなど相応の準備を行っていた」と指摘しました。
そして、「自閉スペクトラム症の影響は限定的で、完全責任能力があった」と主張。「自殺しようと考え、一方的に好意を抱いた被害者を殺そうと考えた動機は身勝手だ」と懲役25年を求刑しました。
一方、元少年の弁護側は「自閉スペクトラム症の影響で善悪を区別する能力や行動をコントロールする能力がなかった」と改めて無罪を主張しました。
きょうの裁判では殺害された女性の父親が意見陳述を行い、「被告人や被告人の家族から私たちは直接、一度も謝罪を受けていません」「何十か所もの傷を負い亡くなってしまった大切な娘の命を返してください。私たちの幸せを返してください」と述べました。そして「被告人は犯行当時は未成年で加害者であっても将来を守られているが、私の娘に将来はありません」、「重い刑に処されることを強く望みます」と訴えました。
これまでの裁判で元少年は不規則発言を繰り返し、複数回、退廷を命じられています。
きょうの裁判でも元少年は、女性の父親や検察官が意見を述べているときに「まだ生きてますよ」「心神喪失、心神耗弱」などと不規則発言を行い、裁判長から注意される場面もありました。
判決は12月14日に言い渡される予定です。

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