【中部・北部】「明らかに欠陥機だ」「全機の飛行停止を」-。鹿児島県屋久島沖で起きた米空軍のCV22オスプレイ墜落事故を受けて、CV22がたびたび飛来する嘉手納基地を抱える周辺住民や海兵隊のMV22オスプレイが墜落した名護市民からは不安や憤りの声が上がった。(中部報道部・砂川孫優、平島夏実、北部報道部・玉城日向子)
墜落した機体は東京の米軍横田基地の所属で、山口県の岩国基地から嘉手納基地に飛行を予定していた。
沖縄防衛局の目視調査(1~9月)では、CV22が嘉手納基地を離着陸したのは103回。嘉手納町屋良の男性(74)は「こんなにも欠陥機が町民の上空を飛んでいる。基地周辺住民はいつも不安と隣り合わせで安全は保証されていない」と話した。同基地のある北谷町砂辺の男性(57)は「オスプレイは町の上空もたびたび通過し、町民は常に事故の危険にさらされている。CVもMVも機体構造はほぼ同じ。原因が究明されるまで全機の飛行を停止してほしい」と求めた。
2016年には名護市安部にもオスプレイが墜落した。安部の住民で当時の事故を近くで見ていた宮里武市さん(81)は「オスプレイは明らかに欠陥機だ。これだけ落ちているのだから早く飛行停止してほしい」と憤る。「辺野古新基地が造られたら、安部はさらに事故が増えるだろう。歓迎している人は誰もいない」と訴えた。
安部の60代女性は「当時の墜落で穏やかな生活が奪われた。戦争に使う軍用機のせいで普通の暮らしができなくなるような事態はあってはならない」。別の女性は「またかという感じ。何年たっても墜落事故が繰り返される」とあきれた表情だった。
米軍の大型輸送ヘリが04年に墜落・炎上した宜野湾市の沖縄国際大学に通う3年の新垣(しんがき)友貴(ともき)さん(21)はSNSで事故を知った。米軍機が基地から基地へ自由に飛行できる現状に「基地がある以上は危険と隣り合わせということ。米軍は民間空港でも離着陸できるから、日本のどこに行っても事故が起きてしまう。沖縄だけではないですよね」と話した。