ニュース裏表 平井文夫 岸田首相を評価して初めて褒められた!本当に不人気なのか…ヤフコメを読んで感じた不思議 やるべきことは「修正」

もういちいち数字を書かないが、今週も岸田文雄内閣の支持率は、日経新聞・テレビ東京と、テレビ朝日系ANNの世論調査で続落した。
先週から今週にかけて行われた国会の予算委員会では、野党側が支持率低下の一番の原因とされる所得税減税や、政務3役の不祥事、自民党派閥のパーティー券疑惑などで連日、岸田首相をボコボコにした。これでは支持率は下げ止まらない。
ただ、筆者は天邪鬼(あまのじゃく)なので、先週金曜、フジテレビのネットサイト「FNNプライムオンライン」に、「岸田さんはそんなにダメな首相なのだろうか。こんなに実績があるのに」という記事を書いてみた。
最近は岸田首相のことを「良く言う」のは、はばかられる。ネットを見ていると「嫌い」を超えて「憎しみ」の域に達しているようだ。だから世論調査の電話がかかってきても、「岸田さん支持します」とは答えにくいだろうし、筆者も岸田政権を評価する記事を書くと、多くの読者にお叱りを受ける。
だが、今回は少し違った。まずアクセス数が多かった。
例えば、ヤフーに転載された記事についたコメント数は27日現在、1800を超えていた。また、記事をリポストしたX(旧ツイッター)の「いいね」は4000を超え、インプレッション数(表示された回数)は144万回だった。筆者が書く「地味な」記事にこれだけの反応は珍しい。
「お叱り」のヤフコメももちろん多かったのだが、褒めてくれる人もいたし、さらに積極的な議論を展開する前向きなコメントも多かった。
ヤフコメを読んでいて、「本当にこれが支持率30%を切って、政権維持が『危険水域』に入っている政権への反応だろうか?」と不思議だった。もしかしたら、世論調査の数字ほど有権者は岸田首相を「憎んで」いないのかもしれない。そうだとしたら反転攻勢のチャンスはあるのだろうか。
記事では、原発処理水の放出などいくつかの実績とともに、「岸田さんがやったダメなこと」として、特にLGBT法の拙速な成立と、異次元の少子化対策を挙げている。
LGBT法成立をきっかけに、岩盤保守層が自民党を離れただけでなく「敵に回った」と以前書いた。岸田首相のやるべきことは「修正」だ。最近も、「体が男性で心が女性」の人が女湯に入って逮捕された。こういう「女性の安全を脅かすこと」が起きないような「仕組み」をつくり、それをアピールすることだ。
また、異次元の少子化対策は、あれで子供が増えるのか疑問なうえ、財源として現役世代が多く負担する健康保険料を値上げするのは愚の骨頂だ。これは今後、防衛増税よりはるかに批判を呼ぶ。直ちに修正すべきだ。
2度目の安倍晋三政権が7年9カ月も続いたのは、常に政策をリアリスティックに修正したからだ。岸田首相も間違っている部分は修正し、実績を増やせば国民の評価は変わってくると思う。 (フジテレビ上席解説委員・平井文夫)

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