石川県の馳知事が東京五輪招致活動で国際オリンピック委員会(IOC)委員に官房機密費(内閣官房報償費)を使って贈答品を渡したと発言し、その後撤回した問題で、馳氏は1日、報道陣に対し、撤回は文部科学省からの指摘があったためとしていた当初の説明について、「私自身の判断で撤回した。(文科省から)指摘はなかった」と訂正した。
馳知事は11月17日、五輪招致に関して発言し、撤回した。翌日、報道陣に対し、「文科省から指摘があり、私自身の事実誤認に基づく発言であったと確認した」と弁明した。
24日の衆院文部科学委員会でこの点について質疑があり、文科省外局のスポーツ庁が「撤回を促す指摘はしていない」と答弁した。同庁によると、17日に県に発言の有無などを問い合わせた際、県側から「知事の発言は事実誤認であり全面的に撤回する」と返答があったという。
また、馳氏の発言に関して、IOCが30日に出した声明で、倫理規定違反には当たらないとの見解を示している。見解を受け、馳氏は「IOCの倫理規定を踏まえて活動をしていた」と釈明した。