市議が議場内で部長に暴行か 首のねんざ、被害届受理 埼玉・幸手

埼玉県幸手市の藤沼貢市議(80)から市議会の議場内で暴行されてけがをしたとして、同市の建設経済部長(60)が幸手署に被害届を出したことが5日、市などへの取材で明らかになった。市によると、同部長は藤沼氏所有の農地を巡り、「以前から暴言や脅迫のような発言を受け困っている」と市幹部に相談していたという。藤沼氏は取材に「暴力を振るったつもりはないが、危害を加えられたと言うのであれば謝罪するしかない」と話した。
市や議会関係者によると、藤沼氏は12月定例市議会開会中の1日正午ごろ、休憩に入った議場で着席していた部長に近づき、しばらくやりとりをした後、手のひらで首をたたき、締め付けたという。
部長は同日、市幹部とともに幸手署に相談。2日に受診し、首のねんざで全治3週間と診断された。被害届は5日に受理された。
市議会では別の市議が、藤沼氏所有の土地について「農地法違反の疑いがある」として4日の一般質問で取り上げると通告。部長が答弁を予定していた。
5日に記者会見した長田広・市総務部長によると、建設経済部長やほかの幹部職員が11月初めごろ、藤沼氏から「100万払えば、人を殺してくれるやつがいるのを知っているか」などと言われたこともあったという。長田部長は、「公務中の職員が暴行を受けたことは市として認められない」と話した。
藤沼氏は同市部長を経て市議に7回当選。議長も経験した。自民党会派の代表だったが4日付で交代した。
藤沼氏は取材に対し、「一般質問を巡って部長と話したが、円満に終わった。ねぎらいの意味で首を手でもむようにした。普段から口調が強いと言われるが、(脅迫めいた発言について)そんな話があることすら知らないし、言った記憶はない」と話した。【萩原佳孝】

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