自殺ほのめかすノートに担任が花丸 児童の母親「怒りしかない」 学校が“いじめ放置”か… 奈良市

奈良市の小学校でいじめを受けた児童が自殺をほのめかしたノートに、担任の教師が花丸をつけていたことが分かりました。7日、児童の母親が取材に応じ、学校が「警察じゃないから調査できない」などと、いじめを放置していたと明かしました。

いじめを受けた児童の母親
「怒りしかない」
奈良市立の小学校に通う女子児童の母親は、娘が3年生だった去年2月、いじめで同級生に蹴られて全治1週間のケガをしたといいます。しかし、女子児童の悲痛な訴えに対して学校側が取った対応は、信じられないものでした。
女子児童が去年6月に担任教師に提出したノートには、「自分なんて、いなければよかった」、さらに「わたしは死ねばいいのに」といった自殺をほのめかす言葉が並んでいました。これに対して担任教師は花丸をつけ、「You can do it !!」などとコメントしたのです。
いじめを受けた児童の母親
「(娘が)『お母さんこれなんて書いてるの』と。見たときにすごくショックで、内容と言葉が合っていなくて絶句しました。娘も良くとっていなかったです」

これについて6日、奈良市教育委員会が会見を開き、「励ましの気持ちをもって書いたと、当時担任の教諭は説明をしています」と述べました。
担任教師は“励ましだった”とし、また「女子児童から花丸をつけてほしいと頼まれた」とも説明したといいますが…
いじめを受けた児童の母親
「(娘は)自分はそういうことは言っていないので、そういうことを先生が言っているとショックを受けています」
市は、どちらの言い分が正しいのか判断できないとする一方で、一連の対応は不適切だったとしています。

学校側の“不適切”な対応はこれだけではありませんでした。いじめの調査を求めた保護者に対し…
いじめを受けた児童の母親
「児童が『蹴っていない』と言っているということで、学校ではもう調べることができないと言われたので、調査してほしいと訴えたけど、学校は警察じゃないので調査できないと」
そして、学校側が調査などの適切な対応をしないまま、女子児童へのいじめは続いていたといいます。女子児童は、適応障害やPTSD(心的外傷後ストレス障害)と診断され、症状が現在も続いています。
奈良市は去年11月、今回の件を“いじめにより自殺や不登校などにつながる疑いがある”とする「重大事態」に認定しました。
いじめを受けた児童の母親
「すごく放置されていたので、もっと早くにしっかり対応してくれていれば、もっと早く娘が安心して学校に通える状況に戻れたのでは」
奈良市は今月中に、いじめの調査結果を公表するとしています。

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