愛知県警岡崎署(同県岡崎市)の留置場で2022年12月に勾留中の男性(当時43歳)が死亡した事件を巡り、当時の署員が業務上過失致死容疑などで書類送検され、巡視を怠っていた署長らが処分されたことについて、警察庁の露木康浩長官は7日、定例記者会見で「警察庁としても重く受け止めている。このような事案を二度と発生させてはならない」と述べた。
事件では、公務執行妨害容疑で逮捕された男性が延べ140時間以上にわたってベルト手錠などの「戒具」で拘束された後、急性腎不全で死亡した。県警は23年12月1日、適切な医療措置を怠ったなどとして、当時の署員9人(退職者を含む)を書類送検したほか、島崎浩志署長(当時、依願退職)が減給の懲戒処分を受けるなど、27人が処分された。
露木氏は「署長から留置担当官に至るまで、留置業務の基本が徹底されていなかった」と指摘した。事件を受け、警察庁はこれまで定めがなかった手錠や捕縄の使用時間の上限を3時間とするなどの再発防止策を全国の警察に指示しており、「全国会議を開催するなどして再発防止策の徹底を図りたい」と話した。【松本惇】