宝塚歌劇団員死亡『15のパワハラ行為』『証言の採用方法恣意的』遺族側が意見書を提出

宝塚歌劇団の劇団員が死亡した問題で、亡くなった女性の代理人弁護士が歌劇側に意見書を提出し「15項目に及ぶパワハラ行為」や調査報告書における調査の誤りついて指摘しました。 今年9月、劇団に所属する25歳の女性が宝塚市内のマンションの敷地内で遺体で見つかりました。「宙組」に所属する7年目の劇団員で、現場の状況から自殺とみられています 遺族側は「女性が亡くなる直前1か月間の労働時間が400時間を超えるなど長時間労働が行われていたほか、上級生からのパワハラが原因で自死に至った」と訴えています。 歌劇団が公表した外部弁護士による調査では、長時間の業務などで「強い心理的負担がかかっていた可能性は否定できない」とする一方、パワハラは確認できなかったとしています。 調査結果を受けて遺族側は「パワハラの事実認定と評価は失当」「報告書は再検証すべき」などと話し、女性がへアイロンでやけどを負ったと主張している点について、調査委員会に「やけどされた」「ちゃいろになっている」などとの女性のLINEメッセージを遺族が提出していたにもかかわらず、その内容が調査報告書に含まれていない点も問題であると指摘していました。 12月7日に遺族側の代理人弁護士は12月5日に歌劇団側に意見書を提出したと明らかにしました。 意見書の中では、「ヘアアイロンでやけどを負ったこと」「下級生の失敗は全てあんたのせいや」と叱責を受けたことなど15のパワハラ行為があったと指摘しているということです。 また、歌劇団が公表した調査報告書について、ヘアアイロンでやけどをした点について、遺族の証言を切り捨てていること、劇団員の複数の証言やパワハラ発言を聞いた劇団員の発言など証言採用しないことは恣意的で非合理的であるなどと意見書の中で言及しているということです。 遺族代理人は7日午後4時から会見を開き、亡くなった劇団員の遺族が「劇団がパワハラを一向に認めないことに憤りを感じる」などとするコメントを読み上げました。 【読み上げられた遺族のコメント】「2023年12月7日、遺族の訴え。娘と会えなくなってから2か月がたちました。今でも娘からのLINE、電話をそして帰ってくる足音を待ち続けています。その間に様々なことがありましたが、劇団がパワハラを一向に認めないことに憤りを感じています。劇団が依頼した弁護士による調査報告書には到底納得できません。宙組の生徒が勇気を出して証言してくださったこと、私たち家族の訴えをまったく認めず、上級生を擁護する歪曲した内容になっています。しかしながら調査報告書が認定している事実だけでも当該上級生の言動が、パワハラにあたります。何日も何時間も感情に任せて叱責され、すみませんでしたということしか許されず、泣きながら謝り続けている娘の姿を想像すると憤懣やるかたない思いです。娘はもう何もいうこともできません。それを良いことに自分たちに都合のいいように真実をすり替え、娘の尊厳をこれ以上傷つけるのはやめてください。私たち家族は劇団とパワハラを行った上級生が真実を認め謝罪することを求めます」 歌劇団側との交渉をめぐっては11月24日には、面談交渉が行われ、遺族側が劇団などに対し過重労働とパワハラの事実を認めて謝罪と被害補償をするよう求めましたが、歌劇団側はパワハラの存在を認めなかったということです。 一方で、遺族の主張を真摯に受け止め引き続き協議したいと述べ、次回の面談交渉が12月後半に設定されたということです。

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