娘に繰り返し長時間の正座を強いたなどとして、強要罪に問われた母親とその知人の女の公判が、7、8の両日、名古屋地裁(戸崎涼子裁判官)であった。母親は起訴事実を認め、被告人質問で、「しつけの範囲を超えた虐待だった。知人が怖くて指示に従っていた」と述べた。
起訴状などによると、2人は今年4~6月、お互いの自宅で娘に正座を指示してその様子を動画で撮影し、姿勢を崩すと頭をたたくなどして、夜通し正座させるなどしたとされる。母親は、娘に馬乗りになって首を両手で押さえつけたとする暴行罪でも起訴されている。
母親は「夫と別居を始めた昨年10月頃以降、知人から『しつけができていない。罰が必要だ』などと言われ、正座の強要や暴行を始めた」と説明。知人とは常に携帯電話をつなげた状態にされ、動向を確認されていたとして「怒らせると何をされるか分からなかった」などと話した。
一方、知人は起訴事実は認めたが、「母親と自分の間に上下関係はなかった」と反論。「悪いくせが直ればいいと思ってやりすぎてしまった」と述べた。
公判では被害者の特定を避けるため、被告の名前などは伏せて審理が進められている。