失踪の元社員9億円着服か 上場ビルメンテ会社、大阪府警に相談

東証スタンダード上場のビルメンテナンス会社「ビケンテクノ」(大阪府吹田市)の社員だった60代男性が、マンションの管理費など最大約9億円を着服した疑いがあるとして、同社が懲戒解雇にしていたことが8日、会社側への取材で分かった。男性は失踪しており、すでに会社側は大阪府警に相談している。
同社によると、男性はマンション管理組合の管理業務に20年以上従事していたが、担当する管理組合から多額の預金が不正に引き出されていた疑いが浮上。会社側が11月15日ごろから男性と連絡を取ろうとしたが連絡が取れず、同17日に解雇した。直後には府警にも相談したという。
被害を受けたのは、西日本にある10超のマンション管理組合で、会計書類も改竄(かいざん)されていた疑いがある。被害額は最大で約9億円になる恐れもあり、今後、被害額などが判明すれば、各組合が警察に被害届を提出する可能性があるという。
同社は今月、外部の弁護士らで構成する調査委員会を立ち上げ、本格的に調査を開始。補償についても組合と協議していくとしている。
同社は「関係者に多大なご迷惑とご心配をかけ、深くおわびする」としている。
ビケンテクノは昭和38年設立。ビルの清掃管理や警備、設備管理といったメンテナンス業のほか、不動産管理や介護サービスなども手掛ける。

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