自民党の「清和政策研究会」(安倍派)が政治資金パーティー収入を還流させていた問題で、新たに元五輪相の橋本聖子参院議員(59)(比例)、大野泰正参院議員(64)(岐阜選挙区)、池田佳隆衆院議員(57)(比例東海)、谷川弥一衆院議員(82)(長崎3区)の4氏側が、還流を受けた資金について政治資金収支報告書に記載していなかった疑いがあることがわかった。
この問題では、同派事務総長経験者の塩谷立・元文部科学相(73)、松野博一官房長官(61)、西村康稔経済産業相(61)、高木毅国会対策委員長(67)や、世耕弘成参院幹事長(61)、萩生田光一・政調会長(60)といった派閥幹部側も還流分を収支報告書に記載していなかったとされており、同派全体では議員数十人が直近5年間で数億円規模の還流分を記載していなかった疑いが浮上している。
関係者によると、派閥側からキックバックを受けるなどして裏金化した金額は、松野、高木、世耕の3氏側は直近5年間で1000万円超とされ、橋本、大野、池田、谷川の4氏側も、これと同規模以上の金額に上るとみられる。
政治資金規正法違反(不記載、虚偽記入)容疑で捜査している東京地検特捜部は今後、同派の議員数十人への聴取を検討している。
谷川氏は10日、長崎市内で取材に応じ、「刑事告発を受けている案件でもあり、事実関係を慎重に調査、確認して、適切に対応してまいりたい」と述べた。また、橋本氏の事務所も同日、読売新聞の取材に対し、「清和政策研究会のパーティー券の問題については、刑事告発を受けている案件でもあり、事実関係を慎重に確認しているところです。適切に対応してまいります」とコメントした。