自殺ほのめかしに担任が「花丸」、英語で「あなたはできる」…いじめ調査依頼に学校は「警察ではない」

奈良市立小学校で同級生からいじめを受けた女子児童が自殺をほのめかす言葉をノートに記した際に担任教諭が「花丸」を付けた問題で、女児の両親が11日、大阪市内で取材に応じ、学校側にいじめの調査を依頼した際、「警察ではない」として拒否されたことを明らかにした。両親は「聞く姿勢を持ってもらえず、娘は傷つき、苦しんできた」と話した。
奈良市教育委員会などによると、女児は3、4年生だった2021~22年、同級生の男児に突き飛ばされたり、蹴られたりした。22年2月に蹴られた際は全治1週間のけがを負った。
両親によると、同月に校長らと面談して調査を求めたが、「警察ではないのでできない」などと言われたという。父親は「何もしてくれず、絶望的な気持ちになった」と語った。
女児は同年6月、担任とやり取りするノートに「わたしは死ねばいいのに」と記して提出。担任は「花丸」を付け、「You can do it!!(あなたはできる)」と書き加えた。女児は「意味が分かった時は嫌な思いをした」と訴えたという。母親は「見た時に震えが止まらなかった」と述べ、父親は「先生がこんなことをするとは信じられなかった」と振り返った。
市教委が公表を前に家族に届けた調査報告書は、女児がPTSD(心的外傷後ストレス障害)などを発症したことについて「一次的には男児のいじめ行為が原因」とした上で、「学校が被害を長期間認定しなかったことなどにも原因があった」と指摘。「女児と保護者に寄り添う姿勢が欠けていたため、多大な精神的苦痛を与えた」と結論づけた。
両親は報告書の内容を踏まえ、「学校は娘が卒業するまで配慮し、同様の事態が起きないようにしてほしい」と訴えた。

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