陸上自衛隊郡山駐屯地(福島県郡山市)に所属していた元自衛官、五ノ井里奈さん(24)への強制わいせつ罪に問われた元自衛隊員の3被告に対して、福島地裁は12日、懲役2年、執行猶予4年(求刑はいずれも懲役2年)を言い渡した。判決後に報道陣の取材に応じた五ノ井里奈さんとのやり取りは次の通り。
――判決の受け止めは?
◆私が最初からずっと訴えてきた事実がしっかりと裁判所に認められた。笑いを取るためでは許されない行為であり、しっかり犯罪だということを示せた。(3被告は)自分たちが行った行動としっかり向き合って反省してほしい。
――判決の意義をどう捉えているか?
◆こういう被害についてはなかなか声に出せない人がたくさんいる。どんどん声を上げておかしいものはおかしいと言ってほしいと思う。同じ被害者を出さないような判決で、前例を作り出せて良かった。
――自衛隊についてはどう思うか?
◆私は今でも自衛隊に対しては感謝していて、東日本大震災で助けてもらった恩がある。純粋に好きだからこそ、感謝しているからこそ、誰も不利益がないような、尊厳を傷つけることなく一人一人が大切にされて、ハラスメントのない組織に(なってほしい)。もちろん全てではないと思うが、私が声を上げてから声を上げる人も増えてきたので、根本的に直してほしい。
――社会がどのように変わってほしいか?
◆我慢することなく、悪いものは悪いと、どんどん声を上げてほしいと思う。どうしても我慢してしまう人もいると思うが、悪ふざけでも犯罪だということをしっかり今日証明できたと思う。我慢することなくどんどん声を上げて、男女ともにより良い社会になってほしいと思う。
――被害を受けて告発してから判決までの道のりは?
◆最初のころから変わらず、(3被告は)まずは事実を認めて心から反省して謝罪してほしい。同じ被害者を生み出したくないという思いでずっとやってきた。
――全ての公判に出席してきた理由は?
◆私は初めから覚悟を決めていた。事実を認め(被告の)3人がしっかり反省してくれる、この闘いによっていい社会が生まれるような、自分一人の闘いではないと思っていたので、頑張って闘ってきた。