去年５月、北海道東部の釧路町のアパートで、かつて交際していた小学校教諭の女性（当時39歳）を殺害した罪などに問われている37歳の男の初公判が開かれ、男は起訴内容を「間違いありません」と認めました。
釧路市愛国東の元介護士、藤山功至（こうじ）被告37歳は、去年５月３日、かつて交際していた小学校教諭の女性Ａさん（当時39歳）の自宅アパートに侵入し、Ａさんの胸などを包丁２本で何度も刺し、殺害した罪などに問われています。
12日午前、釧路地裁で始まった裁判員裁判では、被害者特定事項秘匿制度により、女性教諭は匿名にされています。
丸刈り、白のワイシャツ姿で冒頭、起訴内容について問われた藤山被告は「間違いありません」と話し、認めました。
冒頭陳述で検察は、下記のように経緯などを明らかにしました。
・婚活イベントで知り合い、2021年11月から交際 ・Ａさんのクレジットカードで約20万円分、勝手にゲーム課金に使い込むなどして関係解消 ・使い込み分を返済後、復縁迫るも絶縁告げられ逆恨み ・「Ａさんを他人に取られるくらいなら、殺そう」と思い至る
・交際中、勝手に複製の合鍵で留守宅に侵入 ・事前に用意した２本の包丁は、刃渡り14.4センチと16.5センチ ・寝室のクローゼットに潜む ・Ａさんの帰宅後、飛び出して犯行
・Ａさんの死因は出血死 ・胸や首などの傷は10か所以上 ・一部は骨まで達する ・合鍵をＡさん宅の近くの川に捨てて逃走 ・Ａさんを殺害後、自ら「人を刺した」などと通報
・交際解消から犯行までの間、別の女性２人に対するストーカー行為でも警告
その上で、検察は、計画性、被害結果の重大性などから、刑を軽くする事情はないと厳しく指摘しました。
これに対し弁護人は、事実関係については争う点なしとしながらも、犯行を後悔、自ら通報し、自首していることを理由に情状酌量を求めました。