小学校の女性教諭殺害、37歳の男に懲役20年の求刑…「殺害した5月3日は“ごみの日”で女性にぴったり、達成感があった」の暴言に対し、男の母親「自分のことばかりで反省なく、今後は関わりたくない」

5月上旬、北海道東部の釧路町のアパートで、かつて交際していた小学校教諭の女性(当時39歳)を殺害した罪などに問われている37歳の男の裁判…検察は、懲役20年を求刑しました。
釧路市愛国東の元介護士、藤山功至(こうじ)被告37歳は、5月3日、かつて交際していた小学校教諭の女性Aさん(当時39歳)の自宅アパートに合鍵で侵入し、Aさんの胸などを包丁2本で何度も刺し、殺害した罪などに問われています。
12日午前から釧路地裁ですすめられている裁判員裁判では、被害者特定事項秘匿制度により、女性教諭は匿名にされています。
冒頭陳述で、検察は下記のように経緯などを明らかにし、計画性、被害結果の重大性などから「刑を軽くする事情はあるのか」などと厳しく指摘。
これに対して弁護人は、事実関係については争う点がないとしながらも、犯行を後悔、自ら通報し、自首していることを理由に情状酌量を求めました。
藤山被告も起訴内容について「間違いありません」と認める一方、被告人質問では「5月3日は語呂合わせで“ごみの日”になるので、Aさんにぴったりの日だと思った。(殺すという選択肢以外は)なかった。(殺害後は)やりきった感と達成感があった」などと身勝手な主張。
その後、遺族に伝えたいこととを問われると、一転して「Aさんの命と未来を奪ってしまったことについて申し訳なく思う。どれだけの量刑が課せられるかはわかりませんが、一生かけて償います」などと述べていました。
こうして迎えた13日の公判で、検察は懲役20年を求刑しました。
<検察の冒頭陳述>
・婚活イベントで知り合い、2021年11月から交際 ・Aさんのクレジットカードで約20万円分、勝手にゲーム課金に使い込むなどして関係解消 ・Aさん、被告、被告の母親の3人で話し合い、月々2万7000円ずつ返済で合意 ・ことし3月~4月、頻繁にAさんに電話、LINEで連絡 ・返済終了後、Aさんは母親に「今後一切、関わらないことなどを誓約させる」内容の念書を渡す ・母親から受け取った被告は、破り捨てる ・Aさんを逆恨みした上「他人にとられるくらいなら、殺そう」と決意
・事前に3回の下見、4回目に留守を知ると、包丁、合鍵、手袋を用意してアパートへ ・合鍵は交際中、無断で複製していたもの ・2本の包丁は、刃渡り14.4センチと16.5センチ ・侵入後、寝室のクローゼットに潜む ・Aさんの帰宅後、飛び出して犯行
・Aさんの死因は出血死 ・胸や首などの傷は10か所以上 ・一部は骨まで達する ・合鍵をAさん宅の近くの川に捨てて逃走 ・Aさんの携帯電話を持ち帰り、連絡を取り合っていた相手をチェック ・包丁で首を切り、自殺を図るも、痛みに耐えかねて断念 ・自ら「人を刺した」などと通報、逮捕
・交際解消から犯行までの間、別の女性2人に対するストーカー行為でも警告
公判では、藤山被告の母親も証言に立ち、藤山被告の使い込みを返済するため、面識ができたAさんについて「頭も良くて優しい人、自分よりも他人を優先できる人。全額返済後『困ったことがあったら、連絡してくれていい』とも言ってくれた」と悼む一方、藤山被告に対しては「手紙をもらったが、自分のことばかりで反省がなく、失望した。今後は関わりたくない」と述べていました。
判決は、15日に言い渡されます。

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